花研コーヒーブレイク
「デカ肩パット」再来の兆しか?
2023.05.10
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
本日のタイトルからファッションの話と匂わせつつも、自動車の話から。・・・すみません。
自動車のトレンドについては、小欄でも先週2回ほどご紹介させていただきました。昨今人気のカラーについて言及しましたが、その大本には「2022-2023年の自動車のカラートレンド予測:テーマは「New Array」(新しい様式)」という大きなストリームがあるようです。
↑クリックで記事へ。
記事内には、
「境界に位置する空間を模索」
「サステナビリティと機能性に対するニーズの高まりを考慮」
などの背景があると説明されています。
(記事内引用)今まで以上にサステナビリティと機能性に注目しつつ、新しく刺激的なカラースペースに移行する革新的な色合いを提供します(引用終了)と説明にあるように、SDGsに象徴されるような持続性と高い機能性を求めつつも、次のステージにいく境界(リミナル)に立っているマインドから、くすみ系中間色トレンドが生まれていると分析していることと思いました。
色々な方のお話を伺っていますと、とりわけ現在においては「発色のよさ=攻撃的な感じ」と受け止める向きが強く、一方でどのような色とも親和性の高い中間色、アースカラー、ボケボケカラーは平和を求める今の時代の雰囲気に合っているのではないかとおっしゃる方もいました。
ついでに、同じ発表元(BASF)より、日本を含むアジア太平洋地域の自動車カラートレンド予測「キーカラーは「開花」」として、サーモンピンク系のくすみカラーを発表しています。
(引用)「アジア太平洋地域のカラーは、ポジティブで現実的な未来を形作ります。社会的なプレッシャーから解放されてカラフルなアイデンティティを持った、自分だけのストーリーを描いてくれます」
「独自性のみならず、多様なカラーポジションや効果によって、ユニークな個性をほのかに広げる方法にも、アイデンティティが示されています。」
「人それぞれが独自の物語で、穏やかに、活発に生きることを表現しています。」
(引用終了)
“独自性を求めつつも穏やかに生きたい”とありますので、平和を求める今の時代にくすみカラーが受けているという分析は、そうずれていないかもしれません。平和と環境意識の高さから、アースカラーを望むマインドが高まった結果と言えるのではないでしょうか。
一方で、トレンドに変化の兆しを感じる情報もありました。
NHKの今朝のニュースによると(ネタ元はアメリカ発だそうですが)、昨年行われたアメリカのファッションショーで発表された作品で、1980年代に日本で流行った大きめの肩パットを彷彿とさせるデザインが増えてきているとのこと。大きな肩パットの入ったデザインが、前年の50%くらい増えたと報道していました。
大きめの四角い肩パットは「(着ている人の)自信を持たせる」と説明。具体的にどのあたりのブランドかは言及していないものの、画像にブランド名が映っている限りでは、イヴ・サンローランとステラ・マッカートニーが紹介されていました。
自動車のところでご紹介した「アイデンティティ」や「独自性」がさらに強調され「強さ」を表現するところまで達するころに、私たちの身の回りのデザインにも変化が表れるかもしれません。
国際紛争、社会情勢、経済環境など、世界的なことから私たちのほんの身の周りのことまで、生活を取り巻くあらゆる環境が生活者マインドを方向づけ、流行が変化し、生まれてくるように思います。デカ肩パットがランウェイばかりでなく、もう少し生活者に浸透してくるころに花のトレンドも変わってくるでしょう。
とはいえ、実は肩パットの“エンブリオ”デザインがもはや生まれていると思っています。若い人たちが肩に羽織るアレ。なんていうのですか。「付け襟」??かなり大きい付け襟??デカ襟ブラウスとか着ている人も多いですよね。
大きめの襟が、そのまま肩パット系に進化するのではないかという仮説を以って見ています。
引き続き注意深く観察してまいりたいと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。