花研コーヒーブレイク
竹林に棲む外来セミ
2023.05.09
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
弊社では、大田花きのホームページ内「産地ウンチク探検隊!」コーナーを担当しております。
この度、そのページを更新いたしました。今回は徳島県の切花シンビジウム!
切花シンビジウムといえば、国産は12月に出荷、あとは輸入にお任せ的な出荷体系が定石ですが、5-6月は徳島県からの出荷ががギュイン!と伸び、大田花きでのシェアナンバーワンに躍り出ます。
ほかの産地ではやらないことを徳島県のシンビジウム生産者さんがやっている理由と、できる理由に迫ります。
さて、今日はセミの話。
NHK番組の「ダーウィンが来た!」を観て初めて知ったのですが、竹林にのみ生息するセミがいるのですって。タケオオツクツクというちょっと黒っぽい感じのセミで、しかも日本では埼玉、神奈川、静岡の竹林でのみ見つかっていると。局所的に発生しているのが不思議なのですが、どうやら中国からの外来種だそうです。
ここで不思議発生。
竹林にしか生息しないセミが、どうやって中国から入ってきたのか。その外来種がなぜ埼玉、神奈川、静岡と点在しているのか。
番組に出演していた専門家の分析によると、なんと私たちが知る「竹ぼうきの穂」の内部に(しかも穂1本の中に!)卵を産み付け、その竹ぼうきの行先がたまたま竹林という条件揃った場合にタケオオツクツクが生存の道を見出して、繁殖するのだそうです。
※現在は竹ぼうきも燻蒸にかかるそうなので、以降は竹ぼうきに潜んで侵入することは基本的にはないと思われます。
いや、驚きです。番組でその外来セミを移していましたが、黒っぽくて、確かに私たちの生活圏では見たことのない品種のように思います。特定外来生物法に関して、植物を取り扱うわたしたちも無縁ではなく、改めてチェックの必要性を感じます。
例えば、15年以上か20年近く前の出来事の記憶ですが、「ウォーターマッシュルーム」という水草の一種が外来種の指定を受けて、市場流通が止まったことがあります。一方でネットでは販売されているようです。
法律と実態管理の難しさがあります。市場流通では絶対NGですが、インターネット社会では起きてしまっているように思います。外来生物の取り扱いについては、わたくしどもも引き続き十分注意してまいりたいと思います。
それではみなさま、ごきげんよう。
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