花研コーヒーブレイク
パントン「カラーオブザイヤー2023」発表
2022.12.06
お待たせいたしました。PANTONEの「カラーオブザイヤー2023」が発表されました。
「ビバ マゼンタ(Viva Magenta)」です。
↓こんな色(PANTONEのリリースより)
パントンはこの色を「ビバ マゼンタは真紅の色調を帯びたカラーで、ポジティブな未来に向けたデザインの創造を促す色」と位置付けています。
また、パントンのエグゼクティブディレクターLeatrice Eisemanさん(来日してプレゼンされたことありました。写真残っていないけど・・・)によると、
「このテクノロジーの時代において、自然や現実からインスピレーションを得ようとしている。今回のビバマゼンダは赤系の色で、染料のコチニールの赤にインスパイアされた色。コチニールカラーは、世界で最も強く明るい染料の 一つとして知られ、天然染料として最も貴重な染料の 1 つである。原始に根差したビバマゼンダカラー は、私たちを目に見える世界を構成している物質とつないでくれる。自然の力を想起させるこの色は、私たちの精神に刺激を与え、内面の強さを構築するのに役立つ。」
とのコメントを発表しています。(意訳・・・のつもりですが、誤訳だったらすみません💦)
ますますナチュラルを極めて、ナチュラルの原始・根源まで行ってしまった感じです。コチニールは10世紀ころから、アステカなどの中南米の生活文化において、衣服の染料に使われていたのだそうです。今は食料品や化粧品の赤系着色料としても使われていますが、私はこの着色料に極めて注意を払っていて、コチニール色素が使われている物を絶対に口にしないようにしています。お化粧品も然り。何度かアナフィラキシーショックを起こし、だいぶ怖い思いをしました。食べると死ぬと思って注意しています(笑)。早く国内でコチニール色素の使用が禁止にならないかなと日々願うばかりです。
脱線しました。元に戻ります。まあそのように、デジタルテクノロジーの時代であるからこそ、原始文化や人々をリスペクトし、今こそ、昔から人々の生活とかかわりのあるビバマゼンダカラーが求められる時代だということなのでしょう。
この発表を予測していたわけではありません。濃い感じ、或いは軽い感じのピンクが来るかもと思っていました。というのも、フラワーオブザイヤーOTA2022では、選ばれた4品種すべてがピンク系だったからです。これまでと異なり、青みを含んでいるピンクが少なく(センニチコウのローズネオンは青みを多分に含んだ濃いピンクではありますが)、あるいはカラフルな取り合わせになるかとも思いましたが、そういうことでもなかったので、暖色系の何かが発表されるかなとは思っていました。予測は外れましたが、PANTONEのカラーオブザイヤーは、時代の潮流や花きトレンドを考える上でも、多いに参考になると思います。
とりわけ2017年の発表からは、選考基準が変わったのか、選考する担当者やチームが変わったのか、もしくは社会が変わったのか、わたくし自身の思考回路が変わったのか(??)わかりませんが、生活者マインド、あるいは花きトレンドとも連動しているように思いながら注視しています。
2000年から選出の上、発表してきたPANTONEカラーオブザイヤー。過去の色はこちらからご覧いただけます。
それではみなさま、ごきげんよう。
フラワービジネスノート2023はこちら。「フラワーオブザイヤーOTA2021」の結果と分析も掲載されています。