花研コーヒーブレイク
デイドリームカラーとは?
2022.10.31
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
毎年パントンが発表しているカラーオブザイヤー。2022年はvery periでしたね。
very periといえば、淡い青紫のイメージですが、花やファッション、小物など身近な色に置き換えるときは、パントンが色番号で指定するドンピシャの色よりさらに幅広い淡い薄紫のような、灰色がかった紫の周辺カラーと認識しています。
それは一旦置いておいて、ある日ボンソワール桐生がオモシロイ本を紹介してくれました。
『世界のふしぎな色の名前』2022年6月発行。色彩をどう表現するか、赤白黄色にとどまらない様々な表現が紹介されていて、かなり興味深い本です。
詩的に表現する色の名前から、動植物のアソシエーション(連想、関連)から付けられたもの、地名や人名のアソシエーションから表現されたものなど、イマジネーションを刺激されるもので、花の名前を考えるときにも参考になりそうな創作的な表現が紹介されています。
本を開いてみるとイの一番に紹介されている色は「白昼夢色」(デイドリームカラー)。どんな色かと思うじゃないですか。
どんな色だと思われますか?
こんな色ですよ↓色が付いているところ。
写真では少し色みが変わってわかりにくいかもしれませんが、グレーがかったまさにベリーペリです。なぜこの色を最初に持ってきたのか編集上の理由はわかりませんが、パントンの発表や花き業界のトレンドとも整合性が撮れているように思えて妙に納得してしまいました。
さて、オモシロイのは古今東西からあつめたほかの色表現も然り。
「小悪魔ゴブリンの赤」といえば精霊の三角帽子から鮮やかな赤なのだそうです。
「ドラゴンズブラッド」といえば、赤黒~チョコレートのような色で、ソコトラ島のドラゴンツリーから分泌される深いガーネットのような赤い樹脂に例えられたようです。
「太陽の血」といえば「金」、「月の涙」といえば「銀」なのだそう。
こちらのページは様々なトーンのピンクを紹介していますが、一番右上は「尼僧の腹」と表現されていますし、右から2列目、下から2番目の少し茶色がったのは「シュリンプピンク」(つまりエビピンクですな)、その上はオールドローズ(少し枯れ感のあるバラの色目ということでしょうか)、一番右下は「マリーアントワネット」などと表現されています。
この中で「石竹(セキチク)色」と表現されているのは左から2列目、上から3番目のピンクカラーですから、これがナデシコ(唐撫子;カラナデシコ)のとして人気されている色なんですね。つまりPinkの語源となった元々の色ということだと思います。
一方、「花色」というと赤やピンクを思い浮かべますが、なんと青系の色でした。
強めの青色で、藍染めで染めた色。浅葱色より濃く、藍色より薄い色を指すそうです。平安時代に既に「花色」という色名があり、ツユクサの青い花びらから青く染色していたことが由来なのだそうです。
このように日本における表現も含め、世界各地で色を示すのに使われた表現がさまざま掲載されていて、創作力を刺激されます。
ちなみにパントンのカーラオブザイヤー2023は12月上旬に発表されることと思います。以前はチェックはしていたものの、あまり花き業界との関連性を感じずにいましたが、2016年くらいからはちょっと変わったように思います。選考方法が変わったのか、発表した後のしかけ方を変えたのかわかりませんが、私たちの生活やビジネスに深く関連していると思うことが多々あります。
今年のパントンの発表も楽しみに待ちたいと思います。
その前にフラワーオブザイヤーOTA2022の発表もございますので、こちらもご注目いただけますと幸いです。
フラワービジネスノート2023には花きトレンドの変遷や、フラワーオブザイヤーOTA2021から読む昨今のトレンドも掲載しております。
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