花研コーヒーブレイク
2月12日 菜の花忌
2013.02.12
2月7日の小欄にて掲載いたしました通り、宇田明大先生からのご紹介により、2月12日の菜の花忌について少し触れさせていただきたいと思います。
今日2月12日は司馬遼太郎の命日(1996年)で、“菜の花忌”と呼ばれます。
作家さんの場合、雅号やペンネーム、あるいは代表作などにちなんだ名前を命日に「●●忌」と付け、彼らの業績を偲ぶ日としているのです。
ほかにも、芥川龍之介は彼の作品から「河童忌」(7月24日)、梶井基次郎「檸檬忌」(3月24日)、与謝野晶子「白桜忌」(5月29日)、種田山頭火「一草忌」(10月11日)、太宰治「桜桃忌」(6月29日)、三島由紀夫「憂国忌」(11月25日)などなど。
では、なぜ司馬遼太郎はほかならぬ「菜の花」なのかって?!
それは、彼が菜の花やタンポポなどの、とりわけ春の黄色い花を好み、自宅の庭にも菜の花を植えていたこと、また『菜の花の沖』という小説を書いたことにちなんでいます。
命日がちょうど菜の花の旬にだからということもあるかもしれません。
『坂の上の雲忌』・・・では、ちょっとゴロがね、などと一人で想像しつつ。
大阪にある司馬遼太郎の記念館にはたくさんの菜の花が植えられ、菜の花忌のイベントに来場された人には菜の花をお土産に渡すのだとか。
誕生日は1923年8月7日。
8月7日で花の日・・・感性豊かな遼太郎は、何か生涯花にも縁があったのかと思うのは、この業界に身を置く私の勝手でしょう。
ちなみに本名は福田定一(ふくだ・ていいち)さんといいます。