花研コーヒーブレイク
オーニソは鳥だったっていう衝撃
2022.08.05
こんにちは。みんなの花研ひろばです。
「オーニタ」といえば、プロレスラーで元衆議院議員のあの人。
「オーニソ」といえば、生花業界の方であれば、頭に浮かべるものはまあだいたい同じでしょう。
「オーニソガラム」というユリ科オーニソガラム属のアレ。(ですよね?)
カーネーションを「カーネ」、カスミソウを「カスミ」というように、当然の如くオーニソガラムは「オーニソ」と省略されて呼ばれます。
しかし、この「オーニソ」って実は「鳥」を意味すると知ったら、トリビアと思われる方も意外と多いかもしれません。鳥だけにね。
アタクシも、それに気づいたのはつい最近のこと。オンシジウムのある種の学名を調べたら、Oncidium ornithorhycum(オンシジウム・オルニソリンクム)という原種に出合ったわけです。えー、オーニソってあの花だけが使うことを許された特別な名前じゃないの???
じゃなかったのよ、それが。
ornitho-(オーニソ、オルニソ)とは「鳥」を意味するのだそうです。例えば、ornithologyといえば「鳥類学」を意味しますし(あ、そうかとここでやっと気づく)、ornithophobiaは「鳥恐怖症」、ornithopter(オーニソプター)といえば鳥のように翼を羽ばたかせることによって飛ぶ航空機のことなんですって。
んじゃあ、翼竜類でornitho-ナンチャラっていう恐竜いそうじゃない?(ま、現在形ではなく太古の過去形ですが)
と思ったら、いらっしゃいました。やはり。
オルニトケイルス。白亜紀(恐竜時代の末期)とみなされる英国の堆積物から発見された翼竜だそうです。「鳥の手」を意味するのだとか。ちなみに翼竜はpterosaurs(プテロサウルス)といい、このptero-とはギリシャ語のwingとかfeatherの意味なんですって。なるほど、得心がいきますな。(あー早く恐竜の映画観に行かなくちゃ!)
ランの話に戻しますと、言われてみればオンシジウムも和名を群雀蘭というくらいですから、学名でなくてもその花姿を鳥が飛んでいる姿に例えた人はいたということですね。
ということで、オーニソは実は鳥だったって話。
今度オーニソガラムを見たら、「どの辺が鳥?」と思いながら鳥の姿と重ねてしまいそうですね。ちなみにオーニソガラムのガラム(-galum)はミルクの意味なのだそう。
それではみなさま、ごきげんよう。