花研コーヒーブレイク
「パニクラータ」は何かって話。注意※「パニック食らった」でも「パニーニ食った」でもありません。
2022.07.06
調べものをしていましたらね、学名でpaniculata(パニクラータ)という種小名によく出くわすな~と思っていたのです。
その例を挙げれば、花き業務に関連しているみなさまでしたらきっとご存じの植物も多々あると思います。
例えば・・・
★Gypsophila paniculata
宿根カスミソウ
★Hydrangea paniculata
ノリウツギ、ミナヅキ
★Murraya paniculata
ゲッキツ、別名シルクジャスミン
★Sasa paniculata
クマイザサ(漢字表記は「粽笹」。「粽」はチマキのこと))
OH!笹の学名はSasaだったのか!いまさらすみません。
★Phlox paniculata
フロックスの一種。
そのほか★Tripetaleia paniculata, ★Symplocos paniculata, ★Saxifraga paniculata, ★Libertia paniculata, ★Clematis paniculataなどたくさんあるようで、どうやら何か共通の姿あるのか、便利なのか、paniculataってなんだ??と思ってネットで調べてみますと「円錐花序の」という意味だと比較的早めに教えてくれます。なるほど、たしかにミナヅキとかドンピシャで円錐状の花序をつけますね。カスミソウも「引き」で枝を見ると、円錐状と言えなくもありません。ほかの品種も学名から画像を検索すると、いずれも比較的小さい花が(しかもどれも白い!)いくつか集まって花序を形成していることがわかります。
学名は、ラテン語で命名されるので、一見私たちにはなじみのない響きに思えますが、もし今度〇〇〇〇paniculataときたら、小さな花が集まって円錐状に咲く植物なのねとある程度想像することができるわけですね。
学名ってオモシロイ。
植物だけではなくて、動物、昆虫、ウイルス、微生物も含めすべての生物の種類に名付けられている世界共通の名前です。今回は、花の形状を表現した学名(種小名)を紹介しましたが、原産地域の名前が付けられるし、人の名前がついていることも多いのです。
学名は属名+種小名という、基本的には二名法で付けられています。属名は植物の形態に因んだ命名が53%、人名に因んだもの(ざっと思い浮かぶところではダリアやアルストロメリア、ポインセチア、バンクシアとか)が17%で多く、次に来る種小名は植物の形態が60%強、地名が20%強(sinensisといえば「中国の」、「 japonicus」といえば日本のなど)、人名が14%という統計もあるんです。←学名マメ知識
今日はちょっと馴染みのない響きで、固いトピックスに感じてしまったかもしれませんが、さらにくだけて、身近で興味深いと思っていただけるネタも仕込んでありますので、ぜひまた小欄を見にいらしてくださいね。
それではみなさま、ごきげんよう。