OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

ドロヤナギ・デロ・ドロ

2022.06.10

こんにちは。みんなの花研ひろばです。

 

お題で本日の話題提供者が泥油(ドロアブラ)であることがバレバレですが、「ドロヤナギ・デロ・ドロ」とは実在する植物の名前・・・なんだそうです!オドロキヤナギデロドロデス★

この名前、調べものをしていたら出くわしました。つまりはドロノキ(泥の木)のことだそうです。ヤナギ科の落葉高木。日本に自生するポプラの仲間で、木材としてはマッチの軸や箸などに使われるのだとか。学名はPopulus suaveolens.

 

ていうか、なんで泥の木なん?デロとかナニ?

 

と思って『牧野植物図鑑』を開いてみました↓(ボンソワール私物)

IMG_8066

 

できるだけ手あかをつけないようにそーーーーーっと索引を開きますと、「どろのき」は676ページに掲載されているとな。

該当ページを開くと、今度はその植物は「でろ」の名で紹介されています。

IMG_8062

 

説明には、楊枝の軸に使われるとありながらも「和名はこの樹、材として柔脆、用に中らず泥の如くという意味なりといえり」、つまり材は柔らかく役立たないことがどのようであることが泥の木の名前の由来を説明しています。

 

そこで、楊枝などに使われるのに役に立たないから泥の木という名前では、矛盾があるでしょと異を唱える方もいらっしゃいます。

言われてみればその通り。異論を唱える方は「泥」は「とろけたるの意」とあるように、水まじりのとろけるような土をいう。だから水辺のどろどろしたところに生える木だから泥の木。さらには樹皮の泥色に由来しているのではないかという見解もあることから、泥地に生える泥色の木ということで泥の木ではないかということでした。

 

だからドロヤナギ・デロ・ドロ・・・デロが泥地で、ドロが泥色かその逆かってこともあるでしょうか。

いやしかし、この不思議なまでの名前の植物は、私たちが従事する花き流通と無縁のアイテムではありません。

ギンドロという樹の名前をご存知の方はいらっしゃるかもしれません。大田花きにもギンドロの名で流通しています。「ギン」というだけに葉がシルバーがかっています。これら泥の木の仲間で、別名はウラジロハコヤナギ(裏白箱柳)。学名はPopulus alba(白いポプラの意味)。こちらは白楊(ハクヨウ)とも呼ばれるようです。「ドロノキが白楊と呼ばれることもあるがそれは誤用だ」と牧野先生はおっしゃっています。

 

ギンドロは落葉樹だけに流通するのはちょうど今の季節。大田市場で見かけることがあったら、小欄にて写真とともに改めてご紹介したいと思います。

 

それにしてもドロヤナギ・デロ・ドロなんて面白い名前の植物があるものですね。

 

それではみなさま、ごきげんよう。

pagetop