花研コーヒーブレイク
季節の花と問合せの花の相関について
2022.04.27
そりゃそうだろういわれるかもしれませんが、春に屋外でサクラの花が咲くと生花店さんでもサクラの切枝の需要が増えます。ここまではそうかなあと想像できたとして、次のような事例もあります。
社内のある資料を見ていたら、「チューリップが花壇で咲いている時期に、チューリップの問い合わせが生花店に寄せられる」という情報がありました。しかし、実際には切花チューリップが生花店さんに潤沢に並ぶ時期は1月から3月。屋外でチューリップを育てている人にとって開花期は4月~5月。このタイミングになりますと、切花のチューリップが売り場に並ぶにはもうちょっと季節外れかなと、業界に従事する者としては思うものです。「季節感」を花きで捉える際には「先取り」という考え方と、「今まさに旬を迎えているこの“旬感!”」という考えとの両方があり、どちらも商売になると思います。(法人や装飾需要が多かった)従来は先取りが重視されていましたが、コロナ禍でホーム需要が高まった今、“旬感ニーズ”が高まっているように感じます。
今、目の前にある美しい季節を自宅でも体感したい願望があるのでしょう。そのためにお役に立てるものがあるとすれば、ひとつは美しい季節を象徴する花きなのではないでしょうか。枝物も新芽が伸びて、「新芽は固まらないとなかなか消費者のご自宅では萎れてしまうかもなー」などと思っていたのですが、ある仲卸さんの店頭で「新芽が悪いんじゃありませんよ」というPOPを見かけました。これなども新芽の季節を楽しむための願望をよく捉えた一言ですし、訴求力がありますよね。切り枝の弱点としてとらえられるケースが多かったの、長所に転換しているように思います。
ちょうど屋外で咲く花に需要があるとすれば、散歩の道々がショーケースとなりますかね。5月1日はスズランの日ですが、4月23日に都内某所でだれかが植えたスズランが開花していました。毎年スズランを見ている場所なのですが、昨年の開花は4月20日前後、その前の年は4月末日前後でした。今年もやや早いほうだと思います。
なーんて書いていた昨日、一般の方から当社に熱帯スイレンの問い合わせがありました。こちらはどちらかというと先取り需要ですね。
それではみなさま、ごきげんよう。