花研コーヒーブレイク
台湾で新しいランが開発されているって話
2022.01.26
こんにちは。ボンソワール桐生です。
台北タイムズによれば、台湾の農業研究所が栽培し易く成長速度の速いオンシジウムを開発したそうです。
色はピンクにすこーし紫が入った色合いのようです。現物を見ないとわからないのですが、画像からするとワインのような色合いにも思えます。
品種の色合いの説明に、「 ミリタリーパターン (in a military pattern)」という説明があり、なるほど植物の模様を端的に表現するとなればそうなるのかと思います。
品種の名称は古典の登場人物から。二年後にはお目見えしそうで、楽しみですね。オンシジウムといえば黄色という先入観がなんとなくありますが、ピンク系が増えることで用途やイメージも変わります、益々の利用があるのかなと思います。
ところで、オンシジウムは、エチレンによる老化防止のためポストハーベスト剤として1-MCPという薬剤が利用されています。台湾産の洋ランの箱に「プレトリートメント1-MCP」と書いてあります。これは製品名ではなく、化合物の名称です。メチルシクロプロペンの頭文字がMCPです。1-というのはまあこの記事ではあまり重要ではないので省きます。そのMCPというこれは気体状の化合物を植物に暴露すると、エチレンのレセプターという老化スイッチのようなところに嵌って、エチレンがはまらないようにします。そこで老化を防止するという作用だったと思います。はい、こういう化合物の助けも借りて、ランの切花が品質の良い状態で流通するのでした。
それではみなさま、ごきげんよう。