花研コーヒーブレイク
瓶の中の花材【ヘクソカズラ】
2021.11.01
こんにちは。ボンソワール桐生です。
お食事中の方にはもう本当に申し訳ございません。
ヘクソカズラです。この名前、笑っちゃいますが事典にもこのまま掲載されています。おならぷーレベルですが、ウィキペディアでもこの名称です。
どうしてこの名前が変わらずに使用されているのか。この植物を扱った人ならお分かりの通りです。
全草から漂う匂いが「おなら」です。そうであれば「おならかずら」ではないかと思うじゃありませんか。
ここからが重要です。実が付いています。
上の写真の通り飴色といいまして、薄い褐色をしています。この実の色が、その“フォーレターワード”(S●●●)を想起させ、そこでこの名前がついたのかと思いきや、これまた恐らく違うとだろうと思われます。
牧野日本植物図鑑のヘクソカズラの項目を読むと、別名がヘクサカズラ(「屁臭(へくさ)かずら」)とあるのです。つまり色や見た目ではなく、匂いからこの名がついたと解釈することができます。
更に問題の「ヘクソ」の「クソ」がついてしまったのは何故か。
・・・実をつぶすとわかります。汁が茶色。渋を含んだような色です。
なるほど、屁の匂い、そしてこの茶色の汁、これはもう最上級です。
ただし写真のような飴色になると実の中の水分もだいぶなくなり、同時に臭気成分も減少するようで香りも減ってしまいます。花業界では、このように飴色になった状態の商品を利用しています。
それではみなさま、ごきげんよう。