花研コーヒーブレイク
花文化と「いただきます」
2009.11.28
『Flower Tech』 volume12, no.6,2009号で見つけた記事です。
「オランダにある農業研究で有名なワーヘニンゲン大学の発表によると、花はキャンペーンなどのプロモーションには良いツールとなり、レストランやホテルにおいては顧客満足度を高めるのに効果的であるという。花があるとその場の雰囲気を改善する効果があるということをワーヘニンゲン大学は科学的見地から証明した。
例えば、レストランやホテルでは利用顧客の満足度を上げるだけでなく、コミュニケーションの際に良い影響を与え、人々の気分を良くする効果がある。また、花は人々の心をオープンにし、リラックスさせ、気持ちを積極的にもすることがわかった。高品質の花は、人々に“丁寧に対応されている”という思いを与え、テーブル花においては、とりわけお互いをあまりよく知らない場合など、打ち解けるのに効果があるという。」
日々の経験から、なんとなく感じていたことではあるかもしれませんが、このように大学などで研究成果として発表されると、花ビジネスに携わる私どもとしては、プロモーションにあたり大変ありがたいことと感じます。
さて、この場合、造花では効果はないのでしょうか。
やはり生花であることに意味があると思います。小欄の10月23日にも書かせていただきましたが、私たちは日々自然の命をいただいて、自分の生きる力の源としているのです。お米や野菜をいただくのも、魚や肉などをいただくのも、自然の命をいただくので日本では食事の前に「いただきます」と挨拶します。
生花もこれと同じです。畑に咲いている花を切って家に飾り、生きているものの命をいただき、私たちは元気になるのではないでしょうか。だからこそ『FLOWER TECH』に掲載されていたような効果が報告されるのだと思います。
きれいに咲いている花をわざわざ切って、身の回りに飾るのは人間のエゴと言う方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、花を飾るということは、ご飯をいただくことと同じだと思うのです。自然の命をいただいて、私たちの生命の源とするのです。
その自然からいただいたパワーの源を社会に流通させ、消費者の皆様にお届けするのが、私たちのビジネスの本分だと思っています。