花研コーヒーブレイク
ロンドン五輪開幕に思う“スパゲティの木”
2012.07.30
いよいよロンドンオリンピックの開幕。
週末は開催式の様子に釘づけになった方も多いのではないかと思う。
英国の古い歴史や世界に広まっていった英国発祥の豊かな文化、あるいはストーリーやキャラクターなど、余すところなくふんだんに織り交ぜた構成には、やはり英国の矜持を感じる。英国ファンにはたまらない展開であった。
花研ブログ担当的独自視点は以下の通り。(花研の視点ではありません。ブログ担当個人の視点です・・・あくまでも)
1.芝生
会場に敷き詰められた芝生、納入業者は儲かったやろな。
あ、英国の芝生といえばテニスのウィンブルドンだが、あれは天然芝で、養生するのに1年かかる。だからグランドスラムのウィンブルドン以外には使っていないと聞いたが、今回のオリンピックでテニスの会場は確かウィンブルドン。今年のトーナメントが終わってから1カ月も経ってないのにどうすんやろ。
禿げたまますんのかな。
2.太鼓叩き
セレモニーから選手入場までずっと太鼓を叩き続けていた演奏係の方々。1-2時間は同じリズムを繰り返し叩き続けていただろうに。ラベルの『ボレロ』のスネアドラム(小太鼓)をやるより過酷だったに違いない。
一人くらい疲れて、顎上げてだらけてるヤツおるやろと入場選手そっちの気で注意深く観察。まあ、アタシやったら号令がなくても「休め」の姿勢で左手は腰に当てて、口もだらしなく開けたまま右手でリズムを無視して乱打してたやろな。
ところがこちらは皆さん信じられないくらい最後まで足でリズムをとって楽しそうに同じリズムを叩き続けているではないか。太鼓のバチを上げる高さも最初から最後まで全く変わらない。
恐るべし体力と精神力!オリンピックの開催式という晴れの舞台が士気を高めているのか。
3. 世界平和の象徴
各国の入場行進を見ていると、世界は平和に見える。世界最貧国のひとつと位置付けられているような国の選手でさえも、そのほかの国の選手と同じような素晴らしい笑顔だ。1994年に民族大虐殺のあったルワンダの選手も、その表情は晴れ晴れとしている。内戦後、スーダンから独立した南スーダンの選手は、国内の組織結成が間に合わず、IOCの計らいで国の代表としてではなく個人として参加している。国名の代わりに”Individual Olympic Athlete”と書かれたプラカードに続いて行進する。
オリンピックは世界平和に貢献する一大イベントなんだな。
4.英国ジョーク
英国的にはこれがないと終われないらしい。
ウィリアム王子とケイト妃の結婚式のブーケにもウィリアム王子の名にかけて「スィートウィリアム」(ナデシコの品種)が入っていたくらいだし、どのような場であってもジョークがないと物事が完結しないようだ。
五輪開会式でも然り。ロンドンフィルハーモニーが出てきたかと思ったら、最初にカメラズームされたのは、なんとピアノを弾くミスター・ビーンことローワン・アトキンソン。もうこうなったら、ロンドンフィルの超一流クラシック音楽より、彼の動きが気になって仕方がない。
最後のサイモン・ラトル(指揮者)との掛け合いも笑いを誘う。
メアリー・ポピンズからミスター・ビーンまで、英国キャラクター全員集合といった感じか。
英国ジョークといえば、ここでひとつ。
その英国の小学校で、以前本当に出た宿題。
「親に“スパゲティの木”の記事を読ませてどう思うか聞いてくること」
その記事とは、1957年4月1日のもので随分と古い。これがまた信憑性を左右するミソだったりするのだが、記事を要約すると・・・
「今年はスイスでスパゲティが豊作。毎年3月下旬になると、その冬の寒さでスパゲティの味を損ねていないかと、生産者たちは心配します。
写真は女性がスパゲティを丁寧に収穫しているところです。スパゲティは木から摘み取られて天日干しにして乾燥させます」
↓1957年4月1日のBBCニュース。“PLAY VIDEO”で動画もご覧になれます。
ここまでで勘の鋭い方はピンと来たと思うが、4月1にのエイプリールフールにBBCが放った英国独特のジョーク。
もう“英”プリールFOOLと言いたいくらい。
これを国営放送のBBCで流しちゃうんだから、ジョークは英国民のもの。いくら昔だからと言っても、NHKではこうはいくまい。
スパゲティの木なんてあるわけない。しかし、そこで宿題としては生徒に聞かず、「親に聞いてくること」とするのがまた英国らしい。みなさんならこの宿題にどうお答えになるだろうか。
アタクシ個人としては、「スパゲティの木」を栽培して、市場に出荷する人を募集するしたいくらい。またそのシリーズ゙として、「ペンネの木」とか「マカロニの木」、「フィットチーネの木」なんてシリーズで揃えてもらえれば売れるかもしれない!なんて思ったり。夏休みの自由研究にも使えるかも!?
英国らしいジョークはオリンピック開催中に随所で見られるだろうとは思っていたが、早速開会式に楽しませてもらった。そして、結構アタクシはこういうジョークが好きなんだな、これがまた。