花研コーヒーブレイク
カーネーション ドロドロ事件
2012.07.19
大田花きでいつも中央通路の展示などを担当してくれる人から相談があった。
「展示しているカーネーションの水がどんどん濁っていって、ほかの品目は同じように展示しても問題ないのに、カーネーションの水は白くドロドロになっていく。
最後には気持ち悪いほどネチョ~っとドロォ~っとして、クラゲが溶けちゃった状のものが浮かんでいるかのような状態までになっちゃうんだけど、どーして??」
マズイ。
宇宙生物ドロドロでも侵入したか・・・。
そこでカーネーションのことなら何でもこの方、宇田花づくり研究所の宇田明先生。
「恐らく、前処理剤であるSTS剤水溶液の使い回しが原因ではないか。
STS剤は殺菌効果のない溶液なので、幾日か使い続けるとバクテリアが繁殖する。しかし、カーネーションはそのような溶液でも吸い上げる。
そして、花瓶に生けたときに、細菌・細菌が分解した茎組織等が花瓶の水に出てきてしまい、水が腐る原因となる」
とご教示くださった。宇田先生は、ほかの市場からも同じようにこの時期のカーネーション展示の問題について質問を受けたことがあるのだとか。
ひとまず宇宙生物が侵入したわけではないことがわかり一安心。宇宙生物ドロドロ“モドキ”だったか。
通常のSTS剤は抗菌剤を混ぜると成分が変わるので通常抗菌剤が入っていない。
もし、一般のご家庭で宇宙生物ドロドロモドキが発生したら、もう夏に花を飾るのも嫌になってしまうやろて。
このモドキの撃退方法は、産地さんへのお願いとして前処理の度に新しいSTS剤使っていただくこと。
或いは、鮮度保持剤を生産販売する某企業からSTS剤専用の抗菌剤を販売しているので、こういう専用のものを併用すること。
ほとんどのカーネーションの生産者さんは、毎回新しいSTS剤を使っていらっしゃることと思うが、是非この時期は特にご留意いただきたいところである。