花研コーヒーブレイク
日本のバラのほとんどは国産
2012.06.25
6月23日(土)の夜に放送されていた日本テレビの「世界一受けたい授業」、みなさまはご覧になったでしょうか。
「身の回りのアレはどこからきているの?」というテーマで、私たちの身の回りの物、或いはその原料は意外なところから輸入されていると紹介されているコーナーがありました。
その中で、バラも取り上げられ、「日本のバラのほとんどはケニアからきている」と紹介されていました。
ここで花に目を付けてもらったことは嬉しく思います。
しかし、みなさま、お気づきの通り、日本のバラのほとんどがケニアから来ているわけではありません。
日本のバラのほとんどは日本で作られています。
2011年1-12月の大田花きのバラ取り扱いでは、本数ベースで見ると(花情報提供サービス「ここほれわんわん」より)
1位 国産 81.6%
2位 インド 6.4%
3位 ケニア 4.6%
4位 韓国 2.8%
5位 エクアドル 2.0%
6位 コロンビア 0.9%
・・・と続きます。
国産を除き、輸入だけの数字を見ても、ケニアは26.6%で3分の1にもなっていませんから、“ほとんどがケニア”とは言い難い状況です。
確かに葉物、スプレーギクに次ぎ、輸入品率は第3位(本数)と比較的輸入品率が高く、また、ケニアからの輸入が増えたことも事実です。
しかし、それでも尚、80%以上が国産ですから、“ほとんどはケニアからきている”とは言い難い事実かと思います。
上にご紹介したのは、大田花きだけの取引データによるものですが、市場外を含め全体としてみても、流通しているバラのほとんどがケニア産であることは考えにくいと思います。
にもかかわらず、どうしてそのように紹介されてしまったかは不明ですが(当社は今回の情報提供に関与しておりません)、みなさまにおかれましてはメディアのアナウンスに惑わされぬようお願いしたいと思います。
ケニアのバラも大変良いバラです。また、国産のバラも日本人の感性を捉えたとても良いバラです。
クオリティにはそれぞれの良さがあり甲乙つけ難いのですが、流通量でいけば圧倒的に国産が多いことをご理解いただきたいと思います。