OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

タイタニック追悼式に見る花文化

2012.04.30

今年4月15日、決して沈まないと言われた豪華客船タイタニックが、その処女航海中に氷山に接触し沈没した日から100年目を迎えた。

 

犠牲者は1,500人以上とも言われるが、その内容は映画にもなり大ヒットしたし、ご存知の方も多いと思うのでここで説明するまでもないだろう。

 

 その犠牲者への追悼式がカナダのノバ・スコシア州(カナダ東部大西洋岸の州)で4月15日に執り行われた。花き業界に身を置く者ならここでどうしても目が行ってしまうのが、その花である。

赤バラを墓石の上に1本ずつ置いて行く。これが西欧流なんだ。赤いバラというのも大きな違いではあるが、供え方も日本とは異なる。 

フォトギャラリー→

 

日本式でいけば数本を束ね、対にしてお供えする。日本、或いはアジアの場合は神様や仏様に花を供えるときは何時も対が基本になっている。

西欧の墓でも墓石の両脇に鉢花が置いてある場合があるが、これは決して「対」という概念ではなく、正面を邪魔しないように両脇に置いたように見える。もしくは、こんな感じ。正面にずらずら~っと。

 

 

となると、日本の「対」という文化はどこから生まれてきたのだろう。

仏教的発想なのか。しかし、神棚の榊も対にして供えるし、神社の狛犬も対になっているから神道にも共通していることのように思える。(どなたかご存知の方、ご教示ください)

 

いずれにしてもアジア生まれの思想に基づくものだろうから、やはり「和」の概念から始まり、終わりのないものとして「永遠」などを意味しているのかもしれない。

一方、上↑のフォトギャラリー内にもあるように、西欧流「永遠」の表現は「リース(輪)」にすることである。輪にすれば「始まりと終わりがない」からだ。

 

 

前回の駅伝の話ではないが、個の文化の西欧は1本(1箇所)、和の文化の日本(或いはアジア)では対が基本。ココでも個と和の相違に始まる文化的な発展の大きなギャップを見ることができる。

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