花研コーヒーブレイク
ソコトラ島
2012.04.25
アラビア半島から南に300kmのインド洋に浮かぶ島で、イエメン共和国に属するソコトラ(Suqutra)島。
中継地点として古代からアラブ人、インド人、ギリシャ人などが往来し、かつては大変栄えた港でもあった。 航路衰退後は農業が主産業となっている。
この島の名前を初めて耳にする方も「リーガー・ベゴニア」はご存知なことだろう。そのリーガー・ベゴニアは、このソコトラ島原産の「ベゴニア・ソコトラナ」と南米原産のベゴニアの交配種で、ドイツ人の育種家オットー・リーガーさんが多くの開発を手掛けたもの。
そう聞くと、ソコトラ島も我が人生に無縁ではなかったと感じる。
自然豊かで独自の生態系を持つため、インド洋のガラパゴス島とも呼ばれる。
生物多様性保全の観点から、最も重要かつ意義深い自然生息地を含む島として世界遺産に登録されている。
種々の固有種が存在するが、その一つがソコトラ・リュウケツジュ。
「リュウケツジュ」とはただならぬ響きだが、「流血樹」??・・・だとしたら、この木を切ったら赤い血でも出てくるのか??
と思いきや、「流血」ではなく「龍血樹」と書く。
しかし、実は本当に幹を傷つけると赤い樹脂が出てくる。その樹脂は薬用の効果が高いため、幹は傷だらけだと聞く。
英名をドラゴンツリー。日本名の「龍血樹」はこの英名からの訳と思われる。日本人が付けたら「流血」とすることだろう。
この島のランドマークといっても過言ではないほどの名物樹。ドラセナの仲間らしい。
この不思議な形をしているが、巨大な樹冠が大きな木陰を作り、雨の少ないこの地域で水分の蒸発を防いでいる。群生しているシーンは圧巻。 その環境条件に合わせて生物が進化(退化)していくのは自然の理。
初夏に向けて徐々に気温が上がってきた。昨日は早速夏日のところもあったと聞く。
この夏もいよいよ電力の供給に対する不安が高まってくる。メディアの論調は電力不足回避可能としつつも、「厳しい状況」「大幅節電不可避」「計画停電検討中」など。
適者生存、限られた電力の環境下で、ソコトラ・リュウケツジュを見習いながら、自分の消耗エネルギーと節電をどう工夫していくか考えどころだ。
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ソコトラ島 ご参考写真→http://labaq.com/archives/51713385.html
圧倒的奇観を呈している。次はここに行ってみようか。