花研コーヒーブレイク
マミフラワーデザインスクール 考花学
2012.04.17
先日マミフラワーデザインスクールで毎月行われている
川崎景介先生の考花学の講義に出席しました。
昨年度までは世界各地の花の文化について学んできましたが
この4月からは人物と花の関わりにスポットを当てた内容になっています。
第1回は題「花の歌人 西行」でした。
西行は武家の出身でしたが、母方の祖父清経が蹴鞠(けまり)などの芸術面に
秀でていたことからその影響を受けて育ち、
武士の勇猛さと風流な芸術家の2面をもち合わせていました。
そんな西行は23歳の若さで出家してしまいます。
(理由は友人の死説、叶わぬ恋説や諸説あります。)
その後は仏道修行と共に歌人としてたくさんの歌を詠みました。
特に桜を好み、歌の題材に取り上げたり、名所の吉野山にも訪れています。
「吉野山桜が枝に雪散りて 花をおそげなる春にもあるかな」
*吉野の山の桜の枝には雪が散っているので花が遅い春であるな
という歌もあるように、桜の花を待ち焦がれた歌も西行は残しています。
話は現代に戻りますが、今年は暖かくなるのが遅く桜の開花も遅かったので、
西行の頃のように雪はないものの待ち遠しい思いは共感しました。
西行の歌はそれまでの歌人と違って飾ったり、奥ゆかしい歌ではなく、
思いのままを詠んでいて当時ではとても独特で革新的でした。
これはその後、自分の思ったままを詠む俳句に大きな影響を与えます。
また、西行は咲き誇っている桜を見ると「別れの時が近づいている」と
感じたようですが、皆様はどんなことを感じますか。
(か)