花研コーヒーブレイク
7月7日 第28週の花 七夕の竹笹 そこにあるのはたぶん竹でしょう
2020.07.07
この度の九州豪雨で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
まだこれからも大雨が予想されているようでございますので、何より第一に御身の安全を確保されますことをお祈り申し上げます。
さて、ボンソワール桐生です。
今日は七夕。先週末が小売店での七夕商品販売がピークでした。ご自宅で過ごされる方も多いでしょうから、ご家庭で気軽に飾れる60cmぐらいのサイズがよかったんじゃないでしょうかね。
店頭や飾ってあるところの掲示を見ていると、七夕の竹、もしくは笹と書いてありますが、これってどっちなんでしょうか。
違いは「鞘」がついているかどうかです。鞘というのはタケノコの皮の部分です。三角形をした茶色の皮みたいなものです。大きく成長しても節に付いていれば笹です。生長するに従い脱落し、付いていなければ竹です。実際に飾ってある個体を見ていただければ、さやはついていないと思います。つまりほとんどは竹だと思います。
むしろ笹はあるのかなあ、ちょっと探してみます。
また、蒸散により葉が乾燥しやすいのでフィルムなどでくるんであります。濡れた筵(むしろ)に巻いて管理するお店もあると思います。手間も大変ですから竹用の切り花栄養剤はないか、ずいぶんと前から専門家の方に聞いてますが、これっていうものが見つかりません。
七夕用としては日本でしか需要がないので世界的に研究されない、竹類がそもそもアジアを中心とした原産のため、欧米であまり研究されないなどの理由もあるのでしょうか。
竹の切り枝品質管理については未だわからないことがあるので、これから研究のし甲斐があると思います。なお、ハスも同様です。
ちなみにこちらは、七夕の竹の装飾で有名なJR大崎駅構内の七夕飾り(ボンジュール撮影)。
いつもはもっと大きなものを2本ですが、今年はひとまわり小さめな竹を3本飾っていました。
大崎駅ではみどりの窓口にも竹を飾ってくれていました。
そういえば先週末にお会いした40代後半と思しき女性。テニスで小指を複雑骨折してもなお、ギブスをしてテニスに参加する強者でした。何日か前に19歳になるお子様のために目黒区の某生花店さまで大きめの竹を買われたのだとか。いつも花を買う生花店に七夕の竹を予約したところ「予約をしても入荷するかわからない」と言われたため、「出会った時が勝負!」とたまたま別の店で見つけた店頭装飾に使われていた竹(販売用ではなく)をいくらかで譲っていただいたとおっしゃっていました。(だから結構大きめの竹と推測)
しかも、その日は自転車。途中で結構な雨も降ってきたそうですが、かごに横串状に置いて(めちゃくちゃほっそいお体で)雨に打たれながら帰ってきたと笑いながら説明されていました。(私が花業界にいることは内緒で、いろいろ伺ってしまいました。括り付け方とか処分する方法とか・・・笑)
お子様が幼稚園の時のイベントで大きな竹に願い事を書いたことを長い間すごく喜んでいらしたみたいで、「20歳になるまでは」という思いで毎年少し大きめの竹を購入し、玄関に括り付け願い事を書いて飾るのだそうです。こんな一生懸命なお話を伺いえらいなあと感心してしまいました。ありがたいことですね。
それではみなさま、ご自愛ください。