花研コーヒーブレイク
規格品と規格外品ということについて考える。つまり需要のあるサイズ・ボリュームは変わり得る物差しだということ
2020.06.12
こんにちは。ボンソワール桐生です。
きっかけは6月10日の日本農業新聞の令和二年版の消費者白書が発表されたという記事です。食品ロスとの関係性から規格外農産物購入のアンケート調査によると規格外を購入経験のある消費者は大勢いるというもの。
日本ほど多種・多品目、且つ規格のそろった農産物が流通している国はほかに例を見ません。どのような農産物でも同じ売り場であれば大きな品質の差がなく、消費者にとって買いやすい売り場が整備されているのは、厳しい選別をされる生産者さんの意識の高さと卸・仲卸の品質チェック機能によって実現しています。
ところで謎なのは、何が規格品で何が規格外品なのかということです。規格外品は「規格外」という規格ではないでしょうか。
直売所で購入する農産物が規格外かというと必ずしもそうではないはずです。それぞれの販売チャネルにあった商品を選別し、出荷しているはずですから、そのチャネルにあったものという意味では規格品です。何かもうちょっと違う物差しが必要だろうと思います。重箱の隅をつつくような書き方になってしまっていますが、販売チャネルの多様化が消費者との接点を増やし、出荷基準というものを改めて考える時代に入っているなあと思うのです。
例えば、花き分野ではFMA(フラワー需給マッチング協議会)という団体が、需要に合わせた規格の商品作りを提案しています。
花きの規格においては長い茎やたくさん大きな花がついた商品の規格が、それを下回る商品よりも単価が高く、当然需要もあるという考えでしたが、手ごろな長さで花の付き具合もほどほどという商品の方がマスとしての需要があるという場合も出てきました。スーパーマーケットの花売り場店頭に並ぶ花は60cm前後ですが、この長さで流通している花きはそれほど多くありません。しかし、莫大な本数がこのような販売チャネルで必要とされております。従来の「長さ重視」の規格から「需要重視」でも規格を再点検し再設計する時代になっているということです。
ご参考くださいませ。
良い週末をお過ごしください。