花研コーヒーブレイク
初夏を感じる芝棟
2020.04.29
こんにちは。ボンソワール桐生です。
伝統園芸研究会というのがあります。個人的に会員になっていて、わからないことがあると大先生たちにご教示を乞ったり、日頃の市場流通とはあまり接点がないような江戸の園芸などについて見識を広げる場として、大変有意義に活用させていただいています。
さて、その伝統園芸研究会のメールマガジンを通して教えていただいたのですが、日本では古来かやぶき屋根の棟(とう;屋根の一番高いところ)に土を載せ、その土が雨風で流れないように植物を植えていました。
その仕様を「芝棟」(しばむね)というそうです。
江戸時代の終わり、日本を訪れた欧米人の紀行文に、家々の屋根に咲き乱れる植物の情景が記されいたそうですが、それはイチハツというアヤメ科の植物で初夏の風物詩だったようです。芝棟に植えてある植物で多いのはイチハツやユリなど。イチハツは乾燥に強いから。見かける地域は東北、関東地方が多く、西日本は比較的少ないそうです。
芝棟は日本だけでなく、古いフランスの建物でも見ることができるそうです。また東南アジアでも、タイやミャンマーの古い建物で何か植物が屋根に載っているのを見かけると研究会の方がおっしゃっていました。
(東京大学総合博物館 亘理芝棟コレクション)
ちなみに、芝棟で思い出しましたが、杉皮で葺いた屋根にシダが生えている場合があります。街中のちょっとした古い建物で見かけます。大田区内にも。
だいたいはシダが自然に生えたもので、芝棟のように屋根を保護するために人為的な施しを加えたものではありません(中には植えたようなものもありますがね)。こちらも風情があって面白い景色です。
初夏っぽい風景について、ご参考まででした。
こんにちは。ボンジュール内藤です。
「芝棟(しばむね)」というのはnew wordでした。勉強不足ですみません。でも国内外を問わず、旅に出たときは屋根から生える植物にひかれて、自然と写真を撮っていました。あちこちで撮った写真があるかもしれません。昔のデータを探してみたいと思います。
今日はnew wordsつながりでもう一つ。
安倍首相が本日の国会答弁で9月入学式に関して「前広に様々な選択肢を検討したい」と言われました。
「前広」(まえびろ)っていうんですね。お恥ずかしながらこの言葉に日常なじみがなく、調べてみますと「予め」とか「前もって」という意味なんですね。政治や固いビジネスの場で使われていそうな雰囲気のある言葉です。18世紀、19世紀の日本文学に使われていることから、古語だと説明するサイトもありました。いずれにしてもなかなかの大人語です。
さて、この言葉から推察するに、そのフレーズだけを解釈するとすれば、9月入学説は今年9月の実施は難しいけど、事前に余裕をもって準備できるタイミングで選択肢の一つとして検討していくということなのでしょうね。
つまり、きちんと準備できるタイミングで前広に検討していくということと理解いたしました。(←エンプレス構文=これもnew wordsです。ご興味のある方はネット検索にてどうぞ)
うーん、知らないことだらけ。なかなか日々言葉は刺激に溢れています。
それではみなさま、ごきげんよう。