花研コーヒーブレイク
春のつぶやき
2012.04.13
4月の第1週はおよそ春の嵐に見舞われる。年によっては雪が降ることもあるが、そうでなくても「花散らし」と嫌われ者の暴風に見舞われたり、「花冷え」と言われるように突然気温が低い日がやってきたりする。
この1週間が終わると、翌週からは比較的落ち着いた良い天気が訪れる。生活に転機を迎えた人たちも2週目にして、なんとなく緊張も一段階緩むころではなだろうか。オフィスでは新人を迎え、迎える方もいつもと違う雰囲気でなんとなく落ち着かない。
この時期は日本で迎える1年の中で最も美しい時の一つではないかと思うし、厳冬を脱した喜びといろいろな人との出会いとがあり、個人的には大変好きな季節。しかし、ある友人はこのなんとなく落ち着かず、人々がふわふわと浮足立つこの時期があまり好きではないという。
今の時期は3月に芽吹いた草木が、気温の上昇とともに生長を加速し、喩えてみれば「となりのトトロ」の中でメイの「大きくな~れ!」の号令とともに植物の芽がぐんぐん伸びていく感じ。(トトロを見たことのない方、すみません)
自然の音で耳で感知できるもの以外をチューナーで測定できるとしたら、高い周波から低い周波まで乱高下するような音を出している時期なのかもしれない。昔ラジオでお目当てのチャンネルに辿り着けず、探す時に乱高下するあの音のイメージ。
人の気持ちも少し安定感を失うというか、組織に新しい方たちを迎え初心に返るつもりが、気持ちが少し浮くというか、わくわく感なのだろうが少し落ち着かないというか。その友人は、このような少し周波数が狂った環境の中でいつもの自分らしさを保っていくのが大変で、疲れを感じるのかもしれない。彼女のように狂う環境を冷静に、客観的に見ている人もいる。
私は狂う側なのだろう。もうこの季節が楽しくて、ぴょこぴょこ出てくる新芽のように気持ちはスキップする。温かい日差しが嬉しい。