花研コーヒーブレイク
オレンジ色の花 足りてる??
2012.01.06
2012年の流行色はPANTONEよりタンジェリンタンゴ(濃いオレンジ)と発表されたことを小欄に書かせていただきました。
偶然にもFlower of the Year OTA 2011の4つの受賞品種のうち2つがオレンジ色でしたが、実は意外にも市場流通におけるオレンジ色の花は少ないのです。
データを取ってみました。↓
【大田花き取扱品目 色別シェア】2010年4月-2011年3月(切り花)
【大田花き取扱品目 色別単価】2010年4月-2011年3月(切り花)
※上のグラフは分類されていない品目や不明な品目・品種を除きます。
※「白」のシェアが大きく、更に単価が高いのは、シロギクのデータが大きく影響しているものと思われます。
暖色系の中では最も流通量が少ない色で、イメージ的に少ないように思われる紫よりもさらに少ない。
都心の某トップフローリストさんにお伺いしたところによると、
「オレンジは黄色系、赤系、ピンク系などあらゆる色と相性が良く出番が多い割に、意外とオレンジ色の花ってないんだよね」と。
オレンジ色の花を思い浮かべると・・・
バラ、ガーベラ・・・
あとはカーネーションとかモカラ?
季節指数の高い花で、ケイトウ、キバナコスモス、ラナンキュラス、サンダーソニア、ポピー・・・くらい??
あ、ほんとだ。少ない(-.-)
そのほかダリアやシンビジウム、ユリ、チューリップ、カラーなど他の品目でもチョロチョロとないわけではありませんが、ほんとにチョロチョロです。
また、都心で経営される別のフローリストさんによると、
「実はオレンジ系のブーケを頼まれると、困っちゃうんだよね。黄色はたくさんあるけど、オレンジ系だけでブーケ作るのは不可能に近いから。ラッピングペーパーでごまかしたりね・・・^_^;
でも実際のところ、オレンジはビタミンカラーで元気の出る色だから、うちのお店ではピンク系よりも人気なのよね」
とおっしゃっていました。
オレンジ色は周年需要のほかに、ハロウィンなどがある秋にはとりわけ引き合いも強くなるのに、フローリストさんの間では供給に不足感を感じさせる色目のようです。
上のデータはざっくりとしたものですから、どこまで参考になるかわかりません。
データより、小売現場に立たれているフローリストさんたちがあちこちで“オレンジが足りない”とおっしゃっていることが何よりの真実ではないでしょうか。
種苗会社、生産者の皆様、オレンジ系の開発と生産をどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m