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花消費拡大の第一歩は自分の生活の観察から?マーケティング手法エスノグラフィーを取り入れる

2019.06.28

こんにちは。ボンジュール内藤です。

先週、今週とJFMAのセミナーでご講演された辻中先生のお話についてずっと考えています。マーティングプロデューサーの辻中先生はエスノグラフィーによる消費者の深い行動観察の第一人者。

エスノグラフィーとは、ギリシア語のethnos(民族)、graphein(記述)に由来する英語で、民族学、民族誌学と訳されます。一人一人の行動を深く観察し、その記録を残すことです。そもそもはある民族の特徴を調査するためにその民族の生活に深く入り込み、長期間にわたって彼らの生活スタイルを観察し、文化や行動様式の詳細を記録していくアプローチなのだそうです。なるほど、そこから生まれたマーケティングアプローチと思うと得心がいきます。

 

その手法が近年ビジネスにおいて、潜在ニーズを発見するための有効な方法として注目されているそう。というのも、生活者自身が購買理由・選択理由など、自らの行動を言語化するのは非常に難しく、そのような理由付けをできない言動や潜在意識から生じる行動を観察することで、新しいニーズを得ることができるから。これはインターネットリサーチやインタビューとは異なる情報を得ることができます。広く網をかけてアンケートを取る手法と違い、一人ひとりにフォーカスし、深く掘り下げて顕在化する前のニーズを知るというのが特徴です。辻中先生によると、メリットはありのままの行動を観察することで、意識せずに行っている行動の領域に踏み込めるということなどにあるようです。

 

ポイントは一人一人の行動や意識を深掘りするということ。このエスノグラフィーの手法を花業界でも取り入れてみることに価値があると思っています。花きは食品よりさらに嗜好性が高く、さらに自然との関連性が強く、且つ情緒的に、またその時気分や心の向きによって選ばれることが多いからです。

「どうやったら花を飾りたいという気分になるか」

「こんな時にはどのような花を飾ってみたいと思うか」

「どんなシーンで花を贈ろうと思うか」

「ちょこっと飾ってある花がどのように生活や潜在意識に影響したか」

など、生活者自身はまだ気付いていない潜在的な気分を、一人ひとりの生活から探っていくのです。

 

また、辻中先生の著書でまずは自分の生活をマーケティングしてみるということが大切ともおっしゃっています。なるほど深く一人の行動を知るために、まずは自分の行動や気分を観察してみる。それがマーケティングになるとは思ってもいないことでした。自分を客観的にみるのは誰でも慣れないとなかなか苦心するものですが、早速週末は自分の心の動き、生活パターンについて客観的に観察してみたいと思います。

 

それではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。

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