花研コーヒーブレイク
ショウブは2回!
2019.05.03
こんにちは。ボンジュール内藤です。
5月5日こどもの日は菖蒲の節句とも呼ばれ、菖蒲が「尚武」(しょうぶ、武道や勇武を重んじること)に通じることから、葉菖蒲や花菖蒲でお祝いします。葉菖蒲はその形が剣を連想させることもあり、江戸時代から端午の節句に使われるようになりました。
葉菖蒲は飾るだけでなく、お風呂に入れたりするので風呂菖蒲と言われたりすることもあります。
ちなみに、葉菖蒲と花菖蒲は別の植物。
葉菖蒲はサトイモ科ショウブ属の植物で、葉菖蒲の花は同じサトイモ科であるアンスリウムの肉穂花序のような形をしています。
(↓コレ、葉菖蒲の花。葉菖蒲は、花菖蒲とは分類上別の植物です)
花菖蒲はアヤメ科アヤメ属。英語ではJapanese irisと呼ばれます。
分類学上、ショウブ属は葉菖蒲、菖蒲園に咲く花は花菖蒲の方ですし、「ショウブ」というだけでは大変紛らわしく、お客様からご注文をいただくときや業務上のやり取りでは、「葉」菖蒲か「花」菖蒲かを明確にする必要がありますね。
詳細は「花研手帳2014」(ピンクと赤の表紙)34-35ページをご覧くださいませ。
ここまでは前置きです。さて、本日のタイトルにある「ショウブは2回!」が意味するところですが(業界の方には釈迦に説法で恐縮です)、花菖蒲は1本の花茎から順々に2つ開花するため、花菖蒲は2回楽しめるということです。(もしくはそれ以上)
但し、ご自宅で飾る時は、切花栄養剤を使うことが欠かせません。生産段階において、STS処理など日持ちするよう処理が施されていますので、もちろん生花店さまにおかれましても、栄養剤をご利用いただくことでお客様の期待に添うことができるでしょう。
切花栄養剤を生け水に入れ、一番花が終わったら速やかに取り除く。すると2番目の花のツボミが大きくなって開花します。
ちょうど本日大田花きのショーケースを見ましたら、菖蒲が飾られていました。現在は一番花が終了し、二番花が開花中。
こんな風に花菖蒲は2回ご家庭でお楽しみいただけるのです。
↓こちらは二番花の写真ですが、脇の鞘にこどものようなのがあるのがわかるでしょうか。
一番花が上がっているときは、通常ここに二番花のツボミがあるのですが、もう一番が終わってしまったので、これは花ガラを取った後です。しかしこのようにツボミが潜んでいることは想像していただけるものと思います。
大田花きのショーケースに展示されていたこちらは、なんと三番花。
花弁が内側に丸まり、一番や二番花のようにきれいには咲きませんが、一応色も保ち開花します。
ということで、花菖蒲の勝負は2回です。ぜひお試しください。
それれではみなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。