花研コーヒーブレイク
ズワイ?ズバイ?ズヴァイ?
2011.11.24
大田花きの取扱い品種の中に「ズバイ」というものがあります。
梅の枝の名前で、サンゴミズキのような細くて若い枝です。
「ズバイってなに?なんでズバイっていうのッ??」
とある人に問われ、調べてみました。
ズバイとはもともともともと「楚(すわえ)(=細くてまっすぐな小枝)」を意味し、細くて長い枝の事を指したようです。
枕草子にも出てくる古語のようで、「楚」の他に「楉」や「杪」などと書き、こちらの表記であれば細い枝を指すというのも得心がいきます。
また地方によってはズワイともいい・・・
とここで鋭い方はピンときたかもしれませんが、ズワイガニのズワイもここからきたそうです。
日ごろ“なぜズバイなのか”などと考えたこともありませんでしたが、こうして聞かれると新しいことを知るよいきっかけになります。
しかし、語源は純粋に「細い枝」を指しているのに、現在は「ズバイ」といえば全国でもとりわけ「梅の細い枝」を指すようです。
なぜ梅と限定されるのか謎が深まります。
「ズバイ」と聞いて「バイ」という音が梅に通じることから、誤認が慣用化したのかという思いも浮かびますが、はっきりしません。
さて、ココからは蛇足ですが、英語を含むゲルマン諸語でもVとWの音はその言語によってよく入れ替わります。
volks wagenは英語読みをすればヴォルクス・ワーゲンですが、ドイツ語読みをするとフォルクス・ヴァーゲンというようにです。
音は言語を越えて同じように変化するものかとズワイ・ズバイの変化を見ながら思いました。
といってもズバイはズヴァイではなかったに違いありませんが・・・。
つまらないことをすみません。