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ジョブズ 追悼

2011.10.10

10月5日(水)になくなったアップルの創設者スティーブ・ジョブスを偲んで、この週末には銀座のアップルストアの前は追悼の花で埋め尽くされた。(撮影:10月9日)

 

 

彼の業績を考えると世界を変えた一人とも言え、私たちも日々の生活に恩恵にあやかっているところだが、 その会社や商品に対するネーミングひとつとっても、彼のセンスや才能を見てとることができる。

 

例えばAppleという名前。

当時20代だったジョブズは自宅のガレージにコンピュータ会社を設立、その社名にAppleを選んだ。

由来は「リンゴのような新鮮でナチュラルなイメージが自分たちの会社に合っているから」「リンゴが好きだから」「リンゴ農園で働いていたから」など諸説あるようだ。

 

当初はその命名に対し「パワーを感じさせない」「おもちゃの会社のようだ」などと周囲からの批判もあったようだが、「子供のおもちゃのような楽しいコンピューターを作りたい」とその名を変えることはなかった。

  

そして、私たちはそのおもちゃのような楽しいコンピューターに完全にハマって、おもちゃ以上の面白さを見出している。

日本式にいえば“株式会社りんご”といったところだから(コンピューター会社でありながら!)、いかに豊かな感性を持ち合わせていたかを垣間見ることができる。

 

更には、同社の代名詞ともえる商品Macintosh(マッキントッシュ)はカナダ産のリンゴの品種であるMcIntoshから名付けられた。このMcIntoshというリンゴは日本でいう「旭」という品種らしい。栽培が難しく、日本では流通稀少のレア品種ということだがご参考まで。

また、マルチメディア機のPippin(ピピン)は日本でいう「翠玉(すいぎょく)」という青リンゴの品種名、携帯用情報端末Newton(ニュートン)はリンゴの落下から万有引力の法則を発見したあのニュートンから命名されている。

 

また、会社のロゴマークとして使われているネズミにかじられたかのようなリンゴのマークは、データ量の単位である“byte”(バイト)と“bite”(バイト=かじる)をかけている。

 

シンプルでありながら、親しみやすいネーミングとロゴマークを使ったのは、さすが“おもちゃのような”を目指した遊び心を感じさせるブランド展開だ。

 

  

 

 

ちなみに、現在は流通しているリンゴもアップル社の売上も最盛期。

56歳という若すぎる死は、まだやりたいことがたくさんあったであろうジョブズに無理矢理ピリオドを打たせた感じもある。

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