花研コーヒーブレイク
花いけバトルロイヤル
2019.03.18
久しぶりに花いけバトルを観戦しに出かけました。正確には「花いけバトルロイヤル」。
今回から花いけバトル「ロイヤル」と題し、これまでの花いけバトルをバージョンアップさせたというシリーズの第1回目。
3月15日(金)品川プリンスで夜7時30分から10時くらいまであり、見応えのあるステージでした。
その花いけバトルロイヤルに、久しぶりに足を向けた目的の一つは、枝物の使われ方について学びたいところがあったため。
ときにはバトラーとして参戦される華道家小原流の伊藤庭花さんが、この度はコメンテーターとしてステージを盛り上げてくださっていましたが、伊藤さんのお話によると「春はお稽古を休むな」というくらい、種々の表情豊かな枝物が潤沢に流通するとき。そんな時の花いけバトルロイヤルこそ、きっと才能溢れるバトラーたちが枝物を作品の中で効果的に用い、枝物の使い方を指南してくださるものと思ったからです。
そんな会に準備された枝物類はこちら↓
桜(湖上の舞、寒緋桜、吉野、陽光、雲龍など)・キフジ・苔柿・苔ツツジ・ドウダンツツジ・フジヅル・流木・六角柳・枝垂れ柳・リンゴの木・アジサイ・レンギョウ・ツルソケイ・メラスフェルラ・イトヒバ・ヤドリギ・バラの長枝・椿・ナンヨウスギ・ハクモクレン・雲南黄梅などなど。
1ラウンドめのテーマは「桜」だったため、花材は桜だけでも多くの種類が取り揃えられました。
枝物は、作品の大きさや季節感を演出するものと思っていましたが、それ以外にも大きくは3つほどの役割があることを自分なりに学ばせていただきました(本当はもっとあるのだと思いますが、自分の中で3つにまとめてみました)。今回も、楽しいばかりではなく、観戦者の一人としてかなり収穫の大きいステージでした。
素晴らしいのは花いけばかりではありません。BGMはバンドの生演奏。(左手にドラマーさんがいらっしゃいます)
遠目で拝見していても、とてもかっこよかったです。ひとつのステージを作り上げるのに、様々分野において才能溢れる方々がご活躍されているのだなと感心してしまいました。
今回の優勝は、華道家の平間磨理夫さん。
裸足で臨まれるあたりは、まさに花いけバトルが格闘技に近いことを物語っているのか、平間さんの華道家としてのスタイルなのか。いずれにしても、花いけバトルと真摯に向き合う平間さん流の姿勢を感じさせます。
いつもながら花いけバトルは、バトラーたちの卓越した技術と芸術性の高さには感心することしきりですし、なにより演出の素晴らしさが際立っていると感じます。ショウの構成、照明、会場の作り、司会からコメンテーター、BGMなど、観客がそこで体感する何から何まで大変クオリティが高く、満足度120%。これは花いけバトルに多くの固定ファンがいらっしゃるのも得心がいくというものでございました。