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デジタル葬儀は実現するのか

2019.03.20

葬祭事業などを営まれる株式会社くらしの友(本社:大田区蒲田)が、「新しい葬儀スタイルに関する意識調査」を行い、自社サイトにてその結果を発表しています。

「ロボット導師による読経」や「SNS等を活用した訃報・葬儀案内」「葬儀のインターネットライブ動画配信サービス」「映像照射式の祭壇」などをデジタル葬儀とし、それらに対してどのくらい抵抗があるかをアンケート調査したというもの。

 

「ロボット導師による読経サービス」は「抵抗がある」が95%。

「葬儀のインターネットライブ配信」は、諸事情で葬儀に参列できない人が、PC やスマートフォン等でリアルタイ ムで葬儀の様子を閲覧できる動画配信サービスのことだそうで、「抵抗がある」が75%ほど。「やや取り入れてみたい」「取り入れてみたい」「ぜひ取り入れてみたい」を合計すると4人に1人という割合になります。伺いたいけど、諸事情でどうしても行けない場合などは、何らかの手段でその様子を拝見したいというニーズはあるでしょう。

ユニークなのは、「葬儀のドライブスルーサービス」はどうかという設問。葬儀の式場内には立ち寄らず、施設脇の窓口に車を着け、車中からの香典渡しや焼香 のみができるサービス をこう呼ぶのだそうです。斬新ですが、そのスタイルを伺っただけでも、現時点ではちょっと抵抗ありのような(個人的感想)。今そのサービスを考えると、葬儀に対する概念、精神を変えるサービスですが、むしろこれが一般的になったとしたら、新しい世代によって概念が変わったということでしょう。ありえないとは言い切れません。

 

自分の個人的な体験からのみ考えれば、葬儀はその場に一歩入ると、厳かで張りつめた空気感、恩愛と物憂い(に似た感情)に包まれた独特な雰囲気を感じます(多分、そうでもない葬儀もあるのだと思いますが)。デジタルサービスでこの清く、凛とした空気感を保てるのか、保てないのか、保てなくても構わないことなのかというのがポイントなのかなと思いながら拝見しました。純粋に利便性が改善されることについてデジタル化が進むことは歓迎しても、デジタル化によって故人への敬意が侵食されると感じるサービス、心が伝わらないと感じるサービスは、抵抗感が大きいということでしょう。

とはいえ、お墓参りも室内立体駐車場のようなところで、ポチッとボタンを押すと、ご先祖様のお墓が降りてくるというような時代ですから、葬儀の中で大きく変化していく部分もあるでしょう。

 

一方で、「樹木葬」については6割近くが「取り入れてみたい」と回答し、今回の設問の中で唯一過半数を超えています。つい先日の故・市原悦子さんのご葬儀も樹木葬だったと報じられましたが、自然に還るという気持ちからでしょうか、あるいは「できるだけモノを持たない、モノを後に残さない」という昨今の潮流からでしょうか、これは将来的にも普及する可能性が充分にあるだろうという印象です。

その他、大変ユニークな調査かと存じますので、更に詳しい情報にご興味のある方は、こちらからご覧くださいませ。

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