花研コーヒーブレイク
空前絶後の草花ブーム ついにあの草まで!
2019.03.21
今日あたりは東京でも開花宣言がなされそうですね。
最近は日々暖かい日差しに包まれ、春の到来を感じます。今年も春が来てくれてよかった。
大田花きのショーケースにはサカキが展示されています。
長年大田市場でお仕事をさせていただいていますが、サカキがショーケースに展示されているのを拝見したのは、アタクシ自身は初めてのように思います。
生産は中国ですが、国内リパック。中国各地の圃場から集めれらたサカキの中で、季節ごとに最も品質の良いものを厳選。千葉県の加工場で丁寧に選別され、大田花きにご出荷いただいているそうで、品質は折り紙つき。スペックも紹介されていますので、大田市場にお越しの際は、是非ご覧くださいませ。
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さて、講演にお招きいただく際、トレンドのサイクルや現在の花きマーケットにおける草花ブームについてお話しさせていただくことが多いのですが、そんな自分自身でも不思議に思うほど、とりわけここ数年において草花がかわいらしく、また愛おしくさえ思います。草花の生産者さまや生花販売に携わる方は、近年の取引状況から草花人気を日々肌で感じていらっしゃることでしょう。
ぺんぺん草、猫じゃらし(あえて通称を使わせていただくと)を使うと作品の完成度が上がると言われるほど、2000年初頭には考え難かった価値観が定着していますが、そんな空前絶後の草花ブームが到来している今、まさかと思うものまで仲卸さんに並んでいるのを拝見しました。
それは・・・
じゃじゃん!ホトケノザです。
田舎育ちのアタクシからすると、早春のツクシ、タンポポ、オオイヌノフグリ、ナズナ、ネコジャラシ、ホトケノザ、スズメノテッポウが「MY春の七雑草」。(春の七草ではありません)
その季節が終わると、今度は畦道に群集したクローバー畑の一角で四つ葉のクローバーを探し、シロツメクサで花冠を作り、相撲草と呼んでいたオオバコで草相撲をし、レンゲ畑で大の字を作り仰向けになって青空を見上げる。家へのお土産はノビル。ノビルの葉を見つけては片っ端から引っこ抜いた。膨らんだカラスノエンドウの鞘からタネを取り除き、笛を作って吹き鳴らしながら帰ったものです。
大田市場でホトケノザを見かけると、そんな一連の幼少期の春の風景と、現在の社会経済活動とが交差しているようで、何か不思議な気分になります。
んで、ホトケノザは売れたかな。どうでしょうか。評価のほどはわかりませんが、生産者のみなさまの圃場の周りにも、もしかしたら市場でいくらかの価値になりそうな雑草があるかもしれませんね。
いままでは圃場内の植物とは別物として里山の風景に溶け込んでいた草花も、草花ブームが到来した今なら、ひょっとすると市場価値があるものも中にはあるかもしれません。目に入らなかったかもしれませんが、ちょっとそんな視点でいつもの道端を見てみると面白いのではないでしょうか。
メヒシバ(「ぐりとぐら」か誰かがハブラシとして使ったやつ・・・だっけ?)、イヌクグ、チカラシバ、エノコログサ、ナガハグサ、カヤツリグサ、カラスウリ、葛の葉(採ってはヤギにやっていました)など、こどものころに馴染みがあった雑草の類です。
これまで雑草視していたアイテムがそれほど高い単価が付くとは考えにくいので、物流コストも加味した上で、“自動車のハンドルの遊び”のような感覚で視線を向けてみるといいかもしれません。もし、実際出荷をご検討される場合は、日持ちや輸送中の葉落ち・花落ちなどは事前にチェックされることをお勧めします。(上記、春の雑草のご提案は思いついたものを列記したまでで、市場品質に見合う条件を満たしているとは限りませんので、念のため)