花研コーヒーブレイク
生花店のお仕事
2018.09.27
生花店の業務は本当に幅広く、多岐にわたるもので、私ども中間流通の立場からはなかなかその全容を知る機会が少ないように思います。
例えばこのティッシュボックス。
コスパもいいし花柄だし、ええかなとなんとなくScottieを買い、オフィスに常設していました。Scottieも昔の花柄はデフォルメされたものだったように記憶していますが(記憶違いならすみません)、いつのタイミングからかその柄はイラストから写真になっていました。
いま会社に常備しているのは、バラの柄のボックス。
初めてこれを拝見したときは、“よくカップ咲きローズを使われたなー”と思い、これは花を知っている方のお仕事だろうと感じました。
オレンジ色の箱にはエピデンドラム、黄色がプルメリア、グリーンの箱にはビバーナムスノーボール、青い箱にはスカビオサが使われているのです。スカビひとつにしても、プロでないとなかなかモチーフとして取り上げることはないように思います。
これらのチョイスはただならぬ匂いぷんぷん!・・・と思っていたのです。
すると最近、たまたまですがこのデザインを手がけたのは、三井不動産の子会社で大手生花店の第一園芸様のデザイン部門がご担当されていたことがわかったのです!しかも、弊社が日頃から業務でお世話になっているご担当者さまが手掛けていると伺い驚きました。
ただならぬ匂いがしていたといえども、生花店様のデザインだったとは。いや、むしろそれであればこれらのチョイスも得心がつきます。
生花店さまは、このように「生ける」や「教える」以外にも様々な業務を展開されています。例えば化粧品などのパッケージをデザインしたり、化粧メーカーの会報誌内に掲載する花のコーディネートをされたり。
はたまた、製薬メーカーの会報誌に花や花の香りに関するコラムを提供するような「書く」お仕事もありますし、ジュエリーデザインを手掛ける生花店さまも複数あります。入浴剤や消臭剤の香りのプロデュースを手がける生花店さまも。ほかにも私たちからすると意外なお仕事をされている生花店さまはたくさんいらっしゃることとお察しします。
生花店の業務というのは多岐にわたるものなのですね。「花デザイン」のプロフェッショナルとして、生ける、教える以外にも、花に関するあらゆる商品や生活のデザインを手掛けていらっしゃるわけです。
花販売のみならず、花を通して専門家として色々な形で社会にお役立ちされていることは素晴らしいお仕事と改めて実感いたしました。