花研コーヒーブレイク
みどりい・・・
2018.07.11
昨日(10日)のテレビ番組「マツコの知らない世界」では、前半で盆栽、後半でネギを紹介していましたね。7月17日(火)まで、無料で番組動画が配信されていますので、興味のある方はご覧になってみてください。
盆栽、ネギ、どちらも植物。とはいえ、どちらも私ども花き流通業界とは異なる世界です。昨日のネギは食用だから。花き(観賞用)のネギもありますが、昨日は食用。
盆栽は、私たち市場流通の者にとって、意外と未知の世界。卸売市場に大量に流通するものではありません。
一つひとつが完成品として個性があり、高価なもので、じっくり見て価値が判断されるようなもの、あるいは個体の姿がそれぞれに大きく異なり、見る人の好みによって価値が大きく変わってくるものは、規格化された商品を大量に扱う卸売市場流通には適さず、全く違うルートで取引きが行われています。
卸売市場にも、盆栽のような雰囲気を持ったものは流通します。それぞれに可愛いと思いますし、私自身も購入したことがありますが、昨日マツコちゃんの番組で紹介されていたものとはまた別次元のものです。ですから、昨日の盆栽先生(しかも中学生!)には大変楽しく勉強させていただきました。
後半のネギもユニークでした。埼玉県深谷市のマスコットキャラクターふっかちゃんのようにかわいい30歳の女性が、ネギ色のニット帽をかぶってふっかちゃんを紹介していました。ぶつ切りした生の長ネギを間食としてぼりぼり食べながら(笑)
30歳ながら相当のネギ玄人で、ネギマニアのウチのショチョさまは、昨日のネギ玄人をインターネット動画で見て、
「わたしはこういう人になりたい」
と言っていたくらい。
どうぞ。
ここからは先週の小欄の続き。なんと、案内役の方は
「ネギの白い部分と緑い部分が~」と話していました。
み、「みどりい」w(゚⊿゚;)w ???
「緑い」という言葉を聞いた瞬間、衝撃で頭が真っ白になりました。そんな形容詞あったっけ??
あれっと思い調べてみると、「色名+い」で形容詞が成り立つのは、「黒・青・赤・白」の4色だけです。
この4色は日本に古代よりあった色。
方角も表していました。黒は北、青が東、赤が南、白が西。
また、季節を示す色でもありました。
春は「あわし」。つまり青。ぼんやりしている様子を指しているそうです。青い春で「青春」。
夏は「明し」から赤。方角も南を指すのは納得です。
秋は「しるし」で白なのだとか。春のぼんやりしている様子に対し、はっきりしている様子を示しています。北原白秋はここから名前を取ったそうです。
冬は「暗し」。だから黒。「玄」とも言いますが「玄人」とかいて「くろうと」と読むのも、黒と玄が元々は同じ意味を指していたからでしょう。「玄冬」といいますね。
つまり、暗いか、明るいか、はっきりしているか、ぼんやりしているかで色と方角が決まっていたのですね。
「い」を付けて形容詞として成り立つのは、もともと日本にあったこの4色だけなのです。
では、更に「真」が付いて、「真っ黒い」「真っ白い」は「い」が付きますが、赤・青の場合は「真っ赤な」「真っ青な」となり、これまた「真っ赤い」「真っ青い」と表現しないのは、なぜかなーと更なる疑問が湧きますが、これはもう図書館に行ってきます。
一方、「色名+“色”+い」で表現できるのは、茶・黄の2色だけ。「茶色い」「黄色い」。
これらのことから想像するに、緑という単語は元々は(黒赤青白と異なり)色を示していたわけではないのでしょう。
第2外国語として、日本語を学ぶ方が「緑い」と言うならわかります。
しかし、日本語を母国語としている人がそのような表現を使っていることに腰が抜けました。そのような感覚、言語的センスを備えている人たちがいらっしゃるのですね。世代の問題なのか、地域の問題なのか、はたまた別のことに由来するのかどうかはわかりません。
「緑い」なんていう表現、発想すらありませんでした。内館さん、どうよ、コレ。(という表現も内館さんに怒られそうですが)
そのうち「ピンクい」とか「虹色い」とか「コバルトブルーい」とか言い出すのかな。
ま、ええけどね。もうこうなってくると、どのような言葉を使うかは、正しいかどうかではなく、思想の問題になってきますな。