花研コーヒーブレイク
七夕にカスミソウ展示会
2018.07.09
この度の西日本大豪雨で被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。一刻を追うごとに発表される被害者の数が増え、朝発行された新聞記事の数と最新情報とは乖離が大きくなるばかり。黄土色の水に2階まで浸かる家屋の光景に絶句して、心が痛みます。
一日も早く、被害の全容が把握され、被災された皆様には心穏やかな日々が訪れることを心よりお祈り申し上げます。
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さて、7月7日の日本農業新聞に、カスミソウが七夕で以前にも増してたくさん使われるようになり、七夕の花としてカスミソウが定着してきた旨の記事が掲載されていました。折しも、ちょうど7月7日にあるスクール主催で、カスミソウをテーマに展示会が開催されました。
場所は国の重要文化財に指定されている自由学園明日館(みょうにちかん)。最寄駅は池袋駅。
写真の右奥に見える高いビルが池袋駅付近ですが、人混みを避けて生きるアタクシは、目白駅から歩いて伺いました。(←歩くのが苦にならない方にはお勧めです)
明日館は、1921年、空間の魔術師とも言われる有名な建築家フランク・ロイド・ライトによって設計されました。フランク・ロイド・ライトは、グッゲンハイム美術館や帝国ホテルも設計していますし、先月NHKの「美の壺」で紹介されましたので、ご存知の方も多いことと思います。
ここを舞台に、毎年、コアなスクール生さんを中心に展示会を行うのが、生花店のPianta(ピアンタ)さま。
1年に1回、テーマを決めて、生徒さんたちの作品の発表の機会とします。今年のテーマは「カスミソウ」。ちょうど7月7日の七夕に行うことから、カスミソウをテーマにしたと、主催のPianta田中治美先生。
カスミソウのマリーベール400本近くを大田市場から仕入れ、展示会にご利用くださいました。
生徒さんの数々の作品には心を表れる思いで拝見いたしました。
染めのカスミソウは染めたものを仕入れたり、出品者が自ら染めたりしたそうです。
いけばなとアレンジメント、両方を教授される田中先生の作品。
星型のデルフィニウムは、色も形も雰囲気も、七夕の意味からもカスミソウと相性がいいですね。
こちらは小学生(3年生くらいだったかな)の作品。驚くべきは作品完成までのアプローチ。
カスミソウでかき氷を作るために、実際にかき氷を食べて研究したそうです。
しかも、梅雨明け前のちょっと肌寒い日に、かき氷の形をドーム型と三角系の山型にしようかと両方試食。
「ただ食べたかっただけでしょう」と大人のみなさんは思われることでしょう。しかし、実際は違います。
ドーム型と山型とどちらがおいしいか、またどちらがシロップがきれいに満遍なく載るかなど、上からシロップをかけた場合、どのように広がるかなどを、実物で検証した上で、このデザインにしたというわけです。
恐るべし小学生。
昨年は、夏休みの宿題で生産から卸売市場、仲卸、生花店までの花の流通と実際の仕事内容をまとめて、校長先生賞をもらったのだとか。ただならぬ根気と物事を根本から知ろうとする彼女の探究心には頭が下がります。
田中先生(中央)を囲む生徒さんたち。ご出品のみなさまは全員、風情な夏着物、もしくは浴衣姿で会場に詰めていらっしゃいます。
七夕にお着物を着て、重要文化財の明日館でカスミソウの展示で、なんとも素敵なイベントでございました。
(昨年のテーマはディブルフラワーでした)