花研コーヒーブレイク
ナデシコジャパン 国民栄誉賞受賞決定おめでとう!
2011.08.02
ナデシコジャパンのワールドカップ優勝に引き続き、国民栄誉賞受賞決定おめでとうございます。
暗い話続きだった日本で、これは本当に嬉しい話ですね。国民栄誉賞に値する素晴らしいご活躍でした。
さて、聞くところによるとナデシコが花の名前であったことを知らなかったという方も結構いらっしゃるのだそうで。もちろんこのナデシコはヤマトナデシコのナデシコからきているわけですが、ナデシコの名誉にかけてここでちょっとだけ“ナデシコのいろは”をご紹介させていただきましょう。
ナデシコはそもそも日本原産の植物で、平安時代以前から庭に種をまいて育てられていたほど、日本人とは馴染みの深い花です。今となっては種類もたくさん増えて「●●●ナデシコ」と名のつく種類はたくさんあるのですが、ここでいうこのナデシコはカワラナデシコのことです。
奈良時代の七夕遊びでは宮中でナデシコをキーワードとして歌を詠い合う「撫子合」(なでしこあわせ)が行われていました。
花期は夏から秋。まさにナデシコジャパンが花開いた時期と重なるわけですね。
日本古来の花文化は西洋と違い、全ての花に意味を持たせる(花言葉)というのはなかったのですが、竹や松が“生命力”や“神聖”を象徴していたように、ナデシコは“少女”を象徴するシンボルでもあったようです。漢字で書けば「撫子」ですから、その語源は「撫でて、愛しみ、かわいがる子(娘)」ということですから、まさにその通りなのです。
また、葉は食用にもなり、利尿やむくみにも効果があるとされていました。
有史以来日本人の花文化と切っても切れないほどのナデシコですが、平安時代に中国から別の種類のナデシコがじゃんじゃか流入してきました。
ナデシコを愛していた日本人は、“いやいや、チョット待テ。一緒にされてはならん”と中国のナデシコを「カラナデシコ(唐撫子)」、日本古来のナデシコを「ヤマトナデシコ(大和撫子)」と区別したというわけです。
また唐撫子の別名を「セキチク(石竹)」と言いますが、良く見ればその茎の節は竹のようではありませんか。
江戸時代にはオランダ船によって西洋からもナデシコの一種が持ち込まれ、人々はこれを「オランダセキチク」と呼んでいました。これが現在のカーネーションです。日本の花きマーケットの三大品目「バラ・キク・カーネ」のひとつ。
もう一つおまけに今では桃色のことを“ピンク”といい、日本人が最も好きな色と言われていますが、この「ピンク」という言葉もナデシコから来ています。ナデシコを英語でいうと”pink”。このpinkがナデシコの花よりも色として独り歩きを始めてしまい定着したというわけです。
恐るべしナデシコの実力。
女子サッカーチームの日本代表に「ナデシコジャパン」と命名した方のセンスが素晴らしいですね。