花研コーヒーブレイク
ムスカリかメルカリか
2018.02.19
ムスカリが最盛期を迎えています。
わが家でも、昨年フラワーバレンタインでショチョさまよりもらったムスカリが再び開花しています。
ムスカリの語源はムスク(moschos;ギリシャ語、麝香のこと)。どうりで香りがすると思いました。
こんな風にでも言っておかないと、若人たちはムスカリとメルカリの区別もつかないかも!?なんて思いましてね。
ムスカリの原産地は(地中海沿岸から)西アジアとされています。西アジアに位置する現在のイラクで発見されたシャニダール遺跡からは、ネアンデルタール人の人骨とともにムスカリの花粉も発見されています。遺骨の周りからは他の場所よりも多くの花粉やマオウの枝が見つかったことから、5万年も前のネアンデルタール人が故人に花を手向けていたといわれています。(諸説あり)
もしこの説が本当であれば、大切な人を亡くす気持ち、あるいは集団の長(おさ)を亡くして弔う気持ちから生まれる行動は、悠久の時代と空間と、はたまたヒト属の中で種を超えて共通し、人類の進化を遂げても尚、変わらないものなのであるということに驚いてしまいます。
ムスカリを見つめる度にそんなことを思ってしまうのです。
現在では、花粉が多く見つかった遺骨の人物(シャニダール4号)は植物などを使った呪医(シャーマン)だったのではないかとか、何かしらの動物によって墓穴に持ち込まれたのではないかという説もあるようです。