OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

世界らん展で得たヒント

2018.02.20

19日の朝、出社してみると、机の上に男性用のケアパッドと歯間ブラシが置いてある・・・。IMG_5183

 

う~んc(゚.゚*)、何でしょうか。

 

とても私のために誰かが買ってきてくれたものとは思えません。

だからといって嫌がらせ感もありませんでした。(私が鈍いだけかもしれませんが)

なんだか事務的に置いてある感じがするのですが、どうしてもパッケージに違和感が残ります。なぜ、そのようなものが私の机の上にほかの書類とともに置いてあるのでしょうか。

 

茫然と立ち尽くしていたところに、横からそれを差し出したと思しき人物の声が・・・。

 

「らん展でもらったのです」

 

やはりそうでしたか、ショチョさま。

私の机の上にこのようなものを放置するとは勇気がありますな。

しかし、それには勇気以上に意図があったのです。

 

「らん展に行ったらさー、片っ端からこのサンプルを配っているんだよ。トイレの前で。

年齢で配る人を区切ると、貰った人と貰わなかった人の心理に問題が出るといけないからか、男性なら全員にそのパッドのサンプルを渡していたんですよ。

なんと子どもにまで!その時は“周りの人にあげてね”って言いながらね」

 

へーーー(・ε・`o)

会期中の来場者数を仮に15万人として、男性がそのうちの4割くらい(もっと少ないかな~?仮に)として6万人。そのうちサンプルを渡せた人が5人に1人とすると、1.2万人くらいにはサンプルを配ったことになるでしょうか。

日本の65歳以上の男性は約1,500万人、サンプルをもらったチビッコたちが身近な大人(65歳以上とは限りませんが)にそれを渡したとして、らん展で配っただけで65歳以上の男性の1,000-1,500人に1人は商品サンプルを受け取る可能性があるわけですね 。。。o(゚^ ゚)ウーン

初めて手に取る人もいるでしょうし、使う時はこのメーカーを使おうと思うかもしれません。

歯間ブラシの方はよく聞きませんでしたが、こちらもサンプル配布をしていたものだそうです。

メーカー名や商品名が書いてあり、どこで買っても同じ品質が担保されていますから、このような方法は効果が期待できますね。配布でコストがかかったとしても、リターンは大きいと想像します。徹底したマーケティングに恐れ入りました。今使っている人、必要としている人だけでなく、いつか必要になるであろうという人に向けて、種まきも同時にしていることになるわけですね。

 

このように、人生の次のステージを見据えて再設計を検討し始める人たちに向けた働きかけを実践されている花き生産者さんもいらっしゃいます。

花桃などを生産する某生産者さんのAグループは、定年退職者を枝物生産に呼び込むために、定年を迎える数年前から声をかけています。

例えば、花桃でしたら、「桃栗3年、柿8年」というように、(これは実が成るまでの目安ですが、花桃でさえも)植えて1年目で商品が出荷できるようになるわけではありません。そこで、定年の2-3年前から仕事の傍ら花桃の農場を徐々に準備し始めて、定年1年目から出荷して安定収入に繋がるよう準備するよう勧めるのです。

現在、市役所、自衛隊、某大手通信会社など退職者のみなさんがいまAグループの所属されて、花桃をご出荷くださっています。なるほど、その甲斐あってその枝物グループは年々生産者さんの人数は増加傾向です。

 

これは次のステージを見据えた生産者さんの取り組み例ですが、もしかすると、花き・園芸文化や消費についても徹底的にシニア層、及びシニア予備軍を呼び込むというのもアリかなと、男性用の尿パッドを見て思いました。もともと男女ともにアラフィフ世代から花・園芸・ガーデニングの興味ランキングは上がってきます。(日経BP社調査)

花き・園芸の場合、若い世代の消費が少ない分、伸びしろが大きいことも確かですが、もしかすると比較的反応がいいのはやはりシニア層なのかなと思います。なかなかスーパーの買い出しに行けない地域の人には、宅配の野菜とともに花1輪なども喜ばれるのではないかと思ったり。(その仕組みを作るのが大変ではありますが)

シニア層が花や園芸を嗜むのは、結果的に若い人への訴求にもなると思うのです。若い人は多かれ少なかれ自分の親や祖父母を見て、年を重ねます。親世代を思い出すとき、花き・園芸の愛好家の入口に立つこともあるのではないでしょうか。

 

で、机の上にあったサンプルをどうしたかと申しますと、1日中見つめた後、ショチョさまにお返しいたしました。お話を伺い実際のものも拝見いたしましたので、配布者が本来渡したかった人にお戻ししたというわけです。

pagetop