花研コーヒーブレイク
「産地ウンチク探検隊!」更新しました
2018.02.08
弊社大田花き花の生活研究所では、花きに関する取材、執筆も業務の一つとして請け負っております。そのうちの一つが大田花きのホームページ内「産地ウンチク探検隊!」コーナーの記事作成です。
「産地ウンチク探検隊!」コーナーは2005年に誕生しました。当時、野菜等の生産現場はよくテレビで放送され私たちの目に触れることはありましたが、花の生産現場が生活者に伝えられる機会は少なく、花がどのような場所でどのような人たちによって、どのように作られているかを生活者のみなさまにお伝えするためにスタートしたものと記憶しています。第1回の神奈川県浜田バラ園様に始まり、本年で早くも14年目に突入、連載回数は120回を超えました。前編と後編とに分かれている記事もありますので、正確には本日現在までに135個の記事が掲載されました。
私がほぼ選任で担当させていただくようになって、丸9年が経過したでしょうか。(その割にスキルが伸びていないことが悩みですが)大切にさせていただいていることは、生産方法もさることながら、生産者様や育種家様の哲学をお伝えすることです。
約120回の取材の中で、例えばバラの生産・育種に携わっていらっしゃる方だけでも17軒いらっしゃいます。もし生産方法をお伺いするだけであれば、全てとは言わずとも17回のうち何回かは同じ話の繰り返しになってしまうでしょう。
しかし、哲学は生産者様・育種家さまそれぞれに異なります。その土地の気候風土や歴史とともにその方の来歴やお考えを重点的にお伺いするよう努めています。なぜそこでその品目を、どのようなお考えに基づいて作っているのか、これは120軒伺えば、間違いなくすべて答えは異なります。取材を担当する人によって焦点は異なると思いますが、私の場合はそのようにさせていただいているということです。いいのか悪いのかはわかりません。
ほかにも自分なりに重視して努めていることはあります。読みやすいよう、短く端的にまとめようと心がけることです。しかし、心がけるも能力至らず、毎回長くなりすぎてしまうことも悩みのタネです。これは生産者様や育種家様からいろいろ教えていただいて、ぜひ読者の皆様にお伝えしたいと思ったら、かなりハードルの高いことということに気付きました。あれもこれもになって、どうしても内容を省くことができません。アタシ、欲張りダシ。
実は、こんなに長くても尚、随分と割愛させていただいているのです。断腸の思いで。
とはいえ、読者の皆様のことを思えば、やはりもう少し短くまとめようと努力したいと思います。
取材させていただき記事を掲載させていただくと、嬉しいことに生産者様にもたまにはいいことが訪れるようです。
これまで伺った例ですと、九州の某生産地様のところには新しく卸売会社数社からお取引の申し入れがあったそうです。これは大田花きにとってはいいのかどうかわかりませんが、生産者様にとっては選択肢ができますし、喜びの声としてご報告いただきましたので、ひとまず良いとしましょう。
和歌山の某生産者様の取材後は、和歌山出身東京在住の生活者から、その生産者様の花だけで作った花束がほしいというお問い合わせがあり、生花店様経由で納品されたそうです。
はたまた、東北の某生産者様の元には、地元テレビ局が産地ウンチク探検隊の記事をすべてプリントアウトの上、片手に持って訪れたそうです。取材、放送後は視聴者からその生産者さまの大好物のスイカが届いたというお話も伺いました^^
(ま、スイカはウン探の記事とは関係ないかもしれませんね)
読者さま、あるいは業務の発注者さまに喜んでもらうことが第一目的ではありますが、ご協力くださった生産者さまにも何か良いお話しが舞い込むというのは、記事作成を担当する私としてまさに望外の喜びです。
さて、そんな中で迎えた121回目は産地ウンチク探検隊スタート以来の初品目です。
初めてなのが意外なくらいですが・・・
ストックです。
日本には、ストックの世界的巨匠、育種家の株式会社クロカワストック代表取締役黒川幹様(千葉県館山市)がいらっしゃいます。この方なしにストックを語ることはできません。日本に流通するストックの少なくとも7割以上、ひょっとするともっと多くのストックがクロカワストック様によって作出されたものです。
そこで黒川様に取材の受け入れをお願いしたところ、この度ご快諾いただきました。育種の専門知識からしたら何も知らないに等しいレベルの私に、最後まで根気強くご指導いただいた黒川様のお陰をもちまして、記事掲載に漕ぎ着くことができました。
黒川様がマーケットの大部分を席巻するほど優れた品種を次々と生み出せるのには、やはりワケがありました。黒川様の緻密で丁寧なお仕事、常に未来を読み先回りする先見性と周到さ、どこまでも深く突き止めようとされる探究心、生花を見つめる優しさや生き物や天候と対峙する根気強さ、マーケットを常に意識した視点、そのような人となりやお考えが黒川様の成功の理由の一つなのではないかということを垣間見ることができます。
知られざるストックの育種現場、黒川様の今後の方針、今日から使えるトリビア「ストック」の名前の由来など、そんなに書いちゃダメ!と言われそうなくらい盛りだくさんの内容でお届けしておりますので、ぜひ記事をご覧いただきたいと思います。
ストックの採種圃場はこんな様子!そこにいるだけでしあわせ~な気分になりそうな花畑が眼前に広がります。
知られざるストックの育種の現場、詳細はコチラ↓からご覧くださいませ。