花研コーヒーブレイク
第4回広島花活シンポジウム
2018.01.29
1月24日(水)、広島花き推進イノベーション事業として「花活シンポジウム」が開催され、いつもながら役立たずな花研ブロガー2号ではございますが、お声をかけていただき僭越ながらパネラーとして参加させていただきました。
<花活の全体像>
花活とは、ストレスの軽減や認知症予防に効果があると言われるフラワーアレンジメントや園芸活動を、介護や幼児教育などの現場で用い、人々の幸せに花や緑を役立てようというものです。国産花きイノベーションとして広島の花き流通業界から生まれた活動。4年目となる現在においては、年間30所を回り、これまでに受講した人数は2,600人以上に及びます。園芸福祉業界、介護業界、医療業界と協業しながら歩んでいます。
本年度のシンポジウム基調講演は元花き産業・施設園芸振興室長の佐分利応貴さん(当ページ最下部編集後記ご参照)。テーマは「人生100年時代の花と緑」。大変わかりやすくユニークで、花活に携わるみなさまを励まされるような素晴らしい内容でした。
パネルディスカッションでは、花活を継続して行った際、被験者の脳に与える影響について効果測定を行った結果を本年度の実績として発表。今回の調査ではとりわけ60-70代の要介護度が低い人たちに効果が高い旨が示されました。
それについて、パネラーのおひとり医療法人好縁会(こうえんかい)の理事長下山直登先生から温かい励ましのお言葉や、今後より良く進めていくための提言などを頂戴したり、会場からも実際に花活に携わった方から闊達なご意見・ご質問があり、盛況のうちに幕を閉じました。
昨今では、この花活が客観性のあるエビデンスとともにメディアに紹介されるので、他県からの問い合わせや花活に参加したいとの問い合わせが増えたのだそう。
花活事業の短期間のうちに確実に実績を残しながら進展している印象です。広島花き流通業界の主導で始まったこの花活事業は社会貢献度が高く、花き流通業界に留まらないスケールの異なる事業に発展していく可能性を秘めているように感じています。客観的なエビデンスを取ったことで、今後生活者の幸せのために全国に拡大・定着すればどれほど素晴らしいことかと思います。
<今日だけ編集後記>
基調講演をされた佐分利さん、現在は公益財団法人笹川平和財団で要職としてご活躍です。
「いまはどのようなお仕事をされているのですか?」
と伺うと、佐分利さんは答えました。
「世界平和についてです」
最初はなんだかおちょくられているのか(笑!それでも全く構わないのですが)と思いきや、佐分利さんは真摯にお話ししてくださっていたようで、戸惑いながらも色々伺ってみると、“本当に”朝鮮半島の平和実現にご尽力されていらっしゃることがよくわかりました。
“本当に”というのもかなり失礼な話ですが、もうなんだか私たち花業界にはなかなか想像もつかないようなところで国のためにお忙しくしていらっしゃる様子でした。
しかしながら、既知の方がそのような問題に取り組まれていることを伺うと、いささか“世界平和実現”も絵空事や他人事ではなく、もう少し世界情勢に理解を深めようと思うものですね。