花研コーヒーブレイク
インテリアデザインから入るフラワーレッスン
2017.09.19
講演などの機会をいただいたり、お客様とお話しさせていただく際、トレンドについて聞かれるとシャンペトルブーケ(野趣味溢れる、自然な雰囲気を持つブーケ)として、生活者マインドのキーワードや社会背景と合わせご説明させていただくことがあります。
しかし、観察したものだけをお話していても面白くないので、実際に或る生花店様のブーケのレッスンに参加させていただきました。(もちろん自腹)
レッスンテーマがちょうど“シャンペトルスタイル”だったこともあり、楽しみにしていました。
するとそのレッスンは、なんと昨今のインテリアトレンドの説明から始まったのです。
インストラクターの方がインテリア雑誌のページを開き、「現在はこのようなトレンドになっている。こような空間に飾る花は、xxxのような要素を持ったものが合う。だから今回学ぶのはシャンペトルスタイルなのだ」というところから入りました。
花材の説明はそのあと。
いままであちこちのレッスンを受講させていただきましたが、多くは花を束ねたり、挿したり、生けたりする技術を教示してくれるものでした。それらはとても役に立ちましたし、今でも役立っています。(なんだか英語からの直訳のような日本語になってしまった^ ^;)
しかし、トレンドの背景から話をしてくださったのは初めて。さすが都心のおしゃれな一等地で成功されている生花店様だけあります。
インテリアのトレンドは簡単に申し上げますと、西海岸風な乾いたイメージに、古材の一枚板を使った自然なテーブル、デコラティブ(装飾的)なものが少なく、シンプルなデザインなのだそうです。Rustic(田舎の、素朴な、飾り気のない)で無骨な感じ。
“Rustic”をネットの辞書で調べると「都会的」(urban)の反意語で、以下のように説明されていました。
【名】田舎の人、田舎者、野暮な人
【形】田舎の[に住む]
- 素朴な、純朴な、質素な、飾り気のない、ひなびた感じの、野暮な
- 粗野な、不作法な
- 丸太作りの
・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・
飾り気のない無骨な感じというのはなるほどと思います。シャンペトルというのはフランス語で「田舎の」という意味ですから、英語にするとrusticというのがよくあてはまるのでしょう。
これらのキーワードや雰囲気に合う花は、ザクザクとした男性的な印象のもの。自然でカジュアルな雰囲気のもの。インテリアデザインの変化に伴い、花の素材、デザインも変わってきているということでした。
作り方はラウンドブーケとは異なりますし、曲線を描く花材を挿入する向きもこれまで私が学んできたものとは真逆でした。
脱線しますが、ある日の日経MJ新聞を開けば、MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ助教授のスプツニ子さん(NHK番組「スーパープレゼンテーション」にもご登場されます)が最新トレンドデザインの服を発表したという記事。そのデザインはまるでフィッシャーマンズセーターのようなざっくりと編んだシンプルなオフホワイトのセーターだったりするのですが、確かに先述したようなインテリアの雰囲気に適ったファッションという印象でした。インテリアなどの背景がわからなければ、「ん?」と思うようなデザインかもしれません。
ファッションばかりでなく、体験型イベントの提案も「田舎風の」とか「自然な」というキーワードに当てはまるものが提案されているのをよく見かけますし、女性のメイクもrustic、自然な、素朴な、飾り気のないというキーワードが当てはまってきているように思います。眉毛ももじゃもじゃと太くなってきています^^
その日のレッスンで使われた花材の一部です↓
完成写真は下手すぎて恥ずかしいので本日のところは見送り^ ^;
また機会があればカミングアウトしまーす。