OPERATIONAL PERFORMANCE花研コーヒーブレイク

サーチライト

2017.09.13

弊社では雑誌や新聞を中心にいくつか連載記事の業務をご依頼いただいております。

ご依頼主さまと読者さまには御礼申し上げます。ありがとうございます。

 

そのうちのひとつが日本農業新聞の「サーチライト」というコラムです。

当初は「羅針盤」というタイトルでしたが、2015年度からご依頼いただきました。青果や米、スーパーご担当の方など、4人ほどで毎月原稿を提出して、コラムを毎週掲載、分野ごとには月に1回の掲載となりました。ご依頼いただいたときは、その中に花の分野の人がいないのでということでした。

さらにその前には花き業界の大重鎮スズキフロリストの鈴木会長がペンを執っていらしたようで、ペーペーのアタクシがお引き受けするのは大変なプレッシャーを感じたものですが、比較的トピックスの選択もお任せいただいていたので、書くこと自体は修業と楽しみと両方を兼ねていました。

 

2017年4月からは心機一転、コラムのタイトルも「サーチライト」に変わり、文字数は800字から900字に。

“どうしたらマーケットをより深く理解できるか悩まれる生産者さんに向けて、暗闇を照らすサーチライトになるような提言を書いてほしい”と担当の方から改めて言われ、コラムの主旨が明確に伝わってきました。

とはいえ、生産者さまに向けた進言、提言など、私がさせていただくのは100年早く(もしくは永遠にできるものではないという自覚あり)、アタクシの立場からその主旨を汲み取って書き続けるのはどうかなとも思っていました。花き業界の現在と将来について思うことは多々あれど、すべてが生産者さんを対象としたことでもありませんし、ご提案としてお返しできるものとも限りません。

 

しかし、せっかくいただいた機会ですし、なによりお仕事ですから、お断りしてばかりもいられません。できるところまでやってみましょうということになり、苦し紛れの時もありましたが寄稿を重ねてまいりました。

毎回掲載されるたびに思いのほか反響をいただき、日本農業新聞様のメディアとしての影響力に感心しておりました。もう10年もお会いしていない友人のご両親が農家さんでもないのに農業新聞を購読されているとかで、その友人がたまたま実家に戻った日にコラムをご覧になり連絡が来たり・・・なんてことも。生産者様の総会で記事をコピーして配布してくださった組合さまもあれば、シロギクの記事を書いたときにはシロギクの生産者さまに呼び出されたことも(笑)

いずれにしてもアタクシ自身、寄稿も反響も勉強と思い、前向きに捉えて楽しませていただいておりました。

 

しかし、残念なことにそのサーチライトの連載がこの度終了することになりました。花だけでなく、その他の分野の方もすべてコーナー自体が終了なのだそうです。

そのコーナーを担当されていたKさんが異動になってしまうそうで、引き継ぐ人がいなくなってしまうから。確かにそのコーナーはKさんの肝入りですから、担当が変わっては私どもとしても寄稿することにどのくらい意味があるかわかりません。

 

羅針盤・サーチライトに寄稿させていただいたトピックスはいろいろございましたが、お伝えしたかったことはひとつ。私たちが提供する花きは生活者の幸せや慰めのためにあるということです。(花き産業のための花き産業、あるいは自分たちのための花き産業ではなく、社会や生活者のための花き産業であるということ)

つまり、私たちが社会や生活者に合わせていかなければ存在意義は薄れる。社会や生活者に合わせるということは、つまりマーケットを常に意識する、生活者が欲しいものを意識して将来の生産を考えてみてはどうでしょうかということをお伝えしたかったのです。業界の中でできている場合もあればそうでない場合もある。少しこの意識が少し変われば、社会に潤いや幸せを提供することができ、結果的に産業全体としても成長できるのではないかと思うのです。

勝手な持論を申し上げてしまいましたが、連載コラム終了の機会を受け読者さまに深く御礼申し上げます。

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