花研コーヒーブレイク
8分の5チップの秘密
2011.05.12
「8分の5チップ」というヱスビー食品から出ていた一昔前のポテトチップスを覚えていらっしゃるでしょうか。
まだ子供だった発売当時、お菓子を食べる習慣がなかった私は、食べた記憶はありませんが、ポテトチップスなのに黒くて四角い箱、しかもサイズもなんだか8分の5という他の箱菓子より一回り小さい箱に入っていたという強烈なインパクトで、商品の外観はいまだに鮮明に記憶に残っています。箱のデザインからチップスのサイズから、商品の響きから、いろいろが何か感性に訴えかけるものがあったのでしょう。
今では見かけなくなりましたが、レトロブームにのってリバイバルも可能ではないかとひそかに思っています。少しアレンジを加える必要はあるかもしれませんが。
さて、ここからはわたくしども独自の勝手な分析(妄想?)となります。
何が8分の5チップかというと、従来のポテトチップスと比べて1枚の大きさが8分の5なのです。なぜこの8分の5というサイズにして大ブレイクしたのでしょうか。
メーカーによると「誰にでも一口で食べやすいように」と開発したそうですが、いやいや、実はこの“8分の5”という数字には知られざる秘密が隠されていたのです。
「黄金比」というのを聞いたことがあるでしょうか。
ありますね、きっと( ^ー゜)b
この黄金比とは、時代と場所を選ばず、常に“最も美しい”とされる比率で、1:(1+√5)/2と示されます。
って、あ~・・・、算数苦手な私は、ちょっとピンとこない数字です。
(ワカンナ~イ^_^;!)
もう少しわかりやすく示すと、1 : 1.618となります。これを正数化すると、なんと5:8。5/8チップと同じ比率になります。こうなると一般的な元々のポテトチップスのサイズ(ここでいう「8」)がどうやって生まれたのかというところに戻りたくなりますが、恐らく平均的なジャガイモの断面サイズではないかと思います。そのサイズに対する黄金比で5/8チップが生まれたのでしょう。
はい、ここで最も美しいとされる比率=5:8というのをしっかりとインプットしましょう。(「美しい」という表現が最適かどうかわかりません。私にとっては「心地良い」とか「安定した」とかいう表現でも代弁できることがあるような気がします)
この数字は、古代ギリシャ美学において大宇宙や自然界のすべての事象はこの比率で構成されているとされ、「黄金比」と名付けられています。例えば、オウムガイの曲線の輪郭を四角に当てはめると、タテヨコが黄金比になるというのは、皆さんも聞いたことがあるかもしれませんし、ヒマワリの種、松ぼっくりやつくしなどにも見ることができます。また、東京の夏至は昼の長さが約15時間ですが、これは1日の8分の5となります。冬至はほぼその逆です。
自然界だけでなく、後世に残る世界の芸術品や建造物にも黄金比を見ることができます。例えば「ミロのヴィーナス」はおへそから下の長さが全体の8分の5とか、顔のタテヨコ比が8:5とか、パルテノン神殿やエジプトのピラミッド、パリの凱旋門、ダ・ヴィンチの描いたモナリザの顔、北斎の絵画にも黄金比が隠れています。
何か理由なく美しいと感じるものがあったら、そこには黄金比が含まれている可能性がありますので、あれこれ定規を当てて測ってみると面白いかもしれません。
更には、私たちの生活の身の回り品にも黄金比を頻繁にみることができます。郵便はがきや名刺のタテヨコ比、新書本、iPod、挙句の果てには柿の種(煎餅とピーナツの比率)にも使われています。
それからなんといってもテレビです。最近は黄金比より更にヨコが長いものも出ていますが、液晶画面はこの黄金比のものがまだ多いのではないかと思います。
つまり、5:8こそ最も均整の取れたベストバランスであり、人間が生理的に最も快適に感じるバランスなのです。
ちなみに、黄金比に対して、白銀比というのがあります。
1:√2で表わされる比で、=1:1.414…≒5:7になります。
オフィス仕事で最も一般的なサイズであるA4やA3サイズのタテヨコ比がこれにあたり、また建築物などにもよく使われています。和の世界にはむしろこちらの方が好まれることが多いようで、別名「大和比」とも言われます。法隆寺の構造や、生け花、仏像の顔のバランスにもその比が隠されています。また、ついこの前までのテレビやパソコンのタテヨコ比も白銀比。オードリー・ヘップバーンの顔は黄金比があちこちに見られますが、大和美人には白銀比のパターンが多いのも事実のようです。
そして、この黄金比を手っ取り早く私たちの生活に取り入れることはできないか、実験してみました。
その結果は次回のブログにて。
・・・つづく