花研コーヒーブレイク
花と占い
2011.03.11
三寒四温のこの時期、日々の不安定な天候に悩まされますが、これは春はもうすぐということです。
木々に付く蕾はいよいよ大きく色付き始め、沈丁花などはすでに開花し、春の香りを放っています。
さて、占いとは将来や物事の吉凶を予測したり、判断したりすることですね。
日本人にとって花見もひとつの豊作占いでした。農耕生活を営む日本人は桜の花には田の神様が宿ると信じていました。
開花すると、寒い冬に死んだ大地を蘇らせ豊作をもたらすものとして、その咲き具合で秋の収穫を占ったのです。人々は桜の花が散り急がないよう、少しでも長く田の神様が鎮座するよう祈って、酒などの捧げものをしました。これを花鎮めといいます。
さて、「花」と「鼻」、同音異義の全く無関係の単語だと思いますよね。ところが、これが元は関係していたとする有力な説があるのです。
「花」という言葉は、上記のようにその年の豊作を占うもの、つまり収穫に先立つ先端(=鼻)であったかことから、ハナという言葉が生まれ、「鼻」と「花」はもともと意味が一緒であったするものです。漢字は後から充てたのではないかとしています。
面白いことに英語にも通じています。英語で花といえばflowerとかblossomとかいいます。flowerは今咲いている花そのものを指しますが、blossomは結実する前の花を指していいます。つまり収穫を占うための花ですね。
ですから、桜の花は英語でcherry blossomといいますね。cherry flowerとはいいません。
平安時代から秋の収穫を祈って花といえば桜を愛でていた日本人。今年の花占いはいかに?