花研コーヒーブレイク
日本花き卸売市場協会 出荷統一箱発表!
2017.02.17
日本花き卸売市場協会より、切り花出荷箱標準化に向けた第1次提案がなされました。
このブログにしては少し唐突感があるかもしれませんので、背景をご案内申し上げますと、つまり全国の切り花産地様の出荷箱がバラバラすぎて、物流が非効率。物流問題が深刻な今、規格を統一して物流効率化を図りましょうというものです。
農林部会長の小泉進次郎議員がいつぞやミカンの出荷箱の企画の多さにその非効率性を嘆いていらっしゃいましたが、花の場合も同様。出荷箱の規格はそれぞれの生産者さまが決めていらっしゃいますので、全国生産地の数ほどの規格があるのです。いやいや、1つの生産地産はいくつかの規格を持っていらっしゃるので、生産者様の数×3-5倍位になるかもしれません。
一方で、新聞を開けば毎日のように物流問題に関する記事が取り上げられ、日本中で物流問題は深刻化しています。
例えば、東京青果さんを見ると、ほとんどの品目はパレット流通です。しかし、花の場合はその箱の規格がバラバラであるが故に一つ一つ手積み作業によります。そのため荷受け、荷捌き、引き渡しなどはかなり時間のかかる作業です。トラックで運ばれた荷を降ろすにしても、一台あたりの作業時間が長いため、荷下しまでの待ち時間が長い場合もあり、トラックドライバーには負担の多い商品ではないでしょうか。
花も物流の問題に取り組んでいかないと、完全に取り残され、将来的には花を運んでもらえなくなることさえ懸念されます。もしくは、相当物流費用がかさみ、花の単価に跳ね返り、結果花自体を消費者に選んでもらえなくなるという事態が引き起こされることもないとは限りません。
卸売市場の効率ばかりではありません。様々な生産地の商品を購入する生花店様にとっても然り、流通の川下に向うにしたがって規格の異なる商品を積み合わせることになりますので、購入者さまも商品の積載に労力と時間がかかっている状況です。
日本中のドライバーの高齢化がすすみこれからは減少していきます。運送業者の過当競争がおさまってきた中で花きはこれからも運んでいただけるのでしょうか。
これらの課題解決に乗り出したのが、日本花き卸売市場協会。出荷箱の規格統一化事業のメンバーとして、参加させていただいているのが、弊所のショチョさまでございます。
「適切で標準となる切花出荷容器サイズを定め、広くご利用いただく事で上記問題解決に寄与していきたいと考えております」と日本の花き業界にメッセージを送ります。
という主旨で、規格統一に向け、皆様のお力をお借りして検討してきた内容が、一段階まで辿り着き、2月14日(火)に発表会を迎える運びとなりました。標準規格の第1回発表です。
切花標準容器サイズは以下の通りです。(外寸)
JIS規格である11型パレットに積みやすいように設計された4サイズ。
分類 | 長さ(mm) | 幅(mm) | 高さ(mm) | 備考 |
A | 1,100 | 360 | 260 | 標準サイズ T11型パレット3列積み |
B | 1,100 | 360 | 173 | 標準サイズの高さ3分の2サイズ |
C | 1,100 | 360 | 130 | 標準サイズの高さ2分の1サイズ |
D | 1,100 | 275 | 130 | T11型パレット4列積み |
*分類Cは、3辺合計が1,590mm、宅急便の最大サイズである1,600mm以下。複数のサイズの箱が積み合わされても、例えば以下のように上手く積みつけることができます。
蓋の開閉はこんな感じ。
現時点で出荷箱の規格はあくまでも任意ですが、流通効率化が図られる上で、将来的にはこのサイズを基本とした規格が推奨されることになるでしょう。
本件にご質問、お問い合わせは以下まで。
株式会社 大田花き ロジスティック本部 渡辺 新之介(TEL03-3799-5000)
株式会社 大田花き花の生活研究所 代表取締役 桐生 進(TEL03-3799-5578)
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