花研コーヒーブレイク
めでたい香り【スイセン】
2011.01.15
スイセンの香りについてのお話です。
日本水仙は暖かい春の訪れをいち早く知らせるおめでたい花とされてきました。
特に中国では古くから松竹梅と並び新春縁起の植物とされています。香料業界においてスイセンは貴重な天然香料として知られ、かつてはクチベニスイセン、フサザキスイセン、キズイセン(ジョンキル)の3種から香料を採取していたといわれ、「シャネル5番」や「ナルシスソワール(黒スイセン)」など有名な香水が多数創作されています。
香りの特徴として、全体の印象はジャスミン、ヒヤシンス、ロウバイ様の透明感のある強い甘さの中に、バイオレットの葉のようなグリーンの香りがします。金年のラッパズイセンの育種品種の中には、バニラ、シナモン、シトラス、スミレ様の香りのスイセンも見られ、従来のスイセンの香りに捉われない、バリエーション豊かな香りが明らかになりました。
また、日本水仙は暖かい春の到来をいち早く知らせるおめでたい花として、江戸時代には引っ越し等の節目を飾る縁起物としても使われました。
新生活の始まるこのシーズン、新しいお部屋に最初に飾る花はスイセンで決まりですね!