花研コーヒーブレイク
2月の花保ち
2011.02.11
気象庁の長期天気予報(12月-2月)によると、2010年12月時点で本年の冬の気温は平年並みとのことでした。
しかし、ここ数年暖冬続きなので、平年並みの寒さでは例年より寒いと感じるかもしれません。そして、実際日本海側や東北地方では、大雪に悩まされました。
気温が高くなると花保ち日数が短くなるという一般論から、花保ちは気温と関係している、寒い季節は切り花にとって良いと思われる方もいらっしゃるでしょう。実際、我が家では玄関や御手洗いに飾ったチューリップやガーベラが1か月近く持っていますので、それもウソではありません。
しかしあまりにも低い温度では、花によってはダメージが出る場合があります。人間が植物が異なる点は、人間は変温性という外部の環境によって体温が変化する性質を持っていることです。植物の場合、熱帯から亜熱帯に生息するものは低温に適応する能力が乏しく、そのため2月のように寒さの厳しいシーズンに寒気に当てると、凍傷のような症状を示す場合があります。
切り花ではグロリオサやアンスリウムなど、鉢物ではコチョウランが低温の害を受けやすいことが知られています。
輸送の段階で温度が急激に下がったり、長時間冷気に当たっていたりすると、花や葉が暗い色に変色し、壊死してしまいます。
学問的には熱帯植物は10度以下で凍傷の害が出るといわれています。対策としては、寒さが苦手な花は、冬場は寒気に当てないことが重要です。仕入れた商品の保管場所はさることながら、消費者の皆様が飾る場所にもご配慮ください。
(「ここほれわんわん」花暦カレンダー2011年2月号より)