花研コーヒーブレイク
【シンヤワールド】 彼岸花の里
2016.10.15
彼岸花の名所として知られる埼玉県日高市の巾着田(きんちゃくだ)は、9月の連日の悪天候にもかかわらず、観光客で大盛況のようでした。
関東平野の鴻巣市から深谷市(ユリやチューリップ生産として名高い)、熊谷市にかけては群生地も多く、田んぼや河原の各所で彼岸花の群生を見ることができます。近年は彼岸花目当ての観光客も増え、ディープな彼岸花スポットになりつつあります。
彼岸花は曼珠沙華(マンジュシャゲ)の他、「天上の花」「地獄花」や「死人花」「幽霊花」「剃刀花」「捨て子花」「狐の嫁入り」、はたまた「はっかけばばあ」「おとかっぱな(←埼玉県秩父地域)」などの別名、地方名がありますが、不吉で不気味な名前が多いようです。
恐らくは、彼岸花の球根に含まれている毒(戦時中食料難の時には、この毒を抜いて食料にしたそうですが)が、ネズミやモグラ除けになると、水田の畦道や墓荒らし防止のために墓地などに植えられたものと思われますが、燃えるような赤さと神秘性から、様々なストーリーが生まれ、地域によって数多くの不気味な名前で呼ばれるようになったものと思われます。
花に罪はありませんが、なんだか気の毒な感じもします。
しかし、そんな彼岸花も、昨今ではテレビ等で紹介されたこともあり、その美しさで人々を魅了する花として認知されてきています。
彼岸花は黒い花瓶に生けるとその赤が際立ち美しいのですが、今回は焼酎の空き瓶に飾ってみました。ラベルの紅い服の女性が彼岸花のイメージを引き立てます。
彼岸花の咲く季節は終わってしまいましたが、彼岸花によく似た花「リコリス」は流通があります。
お花屋さんで見かけた際はぜひお部屋に飾ってお楽しみください。
<む。>