花研コーヒーブレイク
桜の満開日
2016.03.29
私自身の小学校入学式の日、ちょうど桜が満開だったことを今でもよく覚えています。
何本も植えられた大きな桜の樹の下で、小林校長先生と担任の若くて美しい坂井先生と(名前はいちいち蛇足ですが)学級の皆とで写真を撮りました。春のそよ風にひらひらと散り始める桜もあり、そんな動的なものも映し出された写真だったように記憶しています。
小学校の入学式というと4月6日前後。過去のソメイヨシノの満開日をインターネットで検索してみると、確かに私の入学式の年には4月8日が満開日とありました。近年の感覚では満開日はもう少し早いような気がします。実際、2013年から2015年までの3年間はずっと3月中に満開を迎えています。
1927年からの観測で3月中に満開日を迎えたのは最初が1942年、その次が1976年と飛び飛びですが、2000年以降の16年間では3月に満開を迎えた日が半分以上の9回に上りますので、全体的に満開日は早くなっているのかもしれません。
さて今年はどうでしょうか。予測では満開日は東京で3月31日と出ています。予測通りにいけば4年続けて3月中に満開日を迎えることになります。東京や関東平野部では、入学式に桜の花と一緒に写真を撮るのは難しくなるかもしれません。そのうち、開花がさらに早まり卒業式シーズンの風物詩にもなったりして。
東京駅八重洲口の夜桜。黒い夜空に浮かび上がる星のように開花するその様子は神秘的でさえあります。
煌々としたネオンの中に咲いても尚、開花した桜並木は圧巻です。
先日小欄で桜に対する日本人の思いは信仰や宗教のようなものに似ていると書きましたが、桜は不思議なほどに日本人の感情に移入する力のある植物だなと思います。これがもし卒業式シーズンの花となれば、もっと感情移入してしまうかも。