花研コーヒーブレイク
週末閑話 ~オーストラリアンオープンにちなんで~
2016.01.29
先週の小欄では、日本人の大坂選手がオーストラリアンオープンで大健闘した旨を書かせていただきました。錦織クンも見事ベスト8入り、2週間楽しませてもらった4大大会のオーストラリアンオープンは、今週末いよいよ男女ともに決勝戦を迎えます。
本大会における現地のレポーターのデスクに装飾されていた花が「とってもオーストレイリアン!」だったのでご紹介させていただきます。
こちらをご覧ください。
白くて大きいのはバンクシア。英国植物学者でプラントハンターの ジョセフ・バンクスにに因んでバンクシアと名付けられました。このバンクシア、只者ではありません。
レポーター前のアレンジメントで使われているのはバンクシアの花ですが、花が終わるとチョットやそっとでは決して割れない木質のかなり強固な殻に包まれます。これが割れるときはどういう時かというと・・・・なんと!?
山火事が発生したとき・・・なんです。
山火事が発生しその熱に当たると、殻が割れて中のタネが飛び散るしくみになっているのです。
普通、山火事が発生すると生命は死んでいくものですが、ぬぁんとバンクシアは山火事が起きてこそ初めて子孫繁栄に成功するのです。オーストラリア独特な自然の摂理をうまく利用した植物こそバンクシア。その逞しさはアッパレです☆
たまたま、山火事に遭ってタネがはじけた後のバンクシアが花研のオフィスにありました(←なんでや?)。こちらも花材として市場流通しています。
お陰で写真を撮るためにバンクシアを持っていた左手もススで真っ黒・・・ギょへーッ\(◎o◎)/!
軽く持っていただけなのにねー。
(・・・と思ったら、このススは出荷者がそれらしく演出するために後から加工しているそうです^ ^;)
そんなに山火事は発生しないと思われるかもしれませんが、オーストラリアには熱帯乾燥地域もあり毎年記録的な暑さで山火事が発生し、死者が出ているくらいです。揮発性の油分を持つユーカリも自生していて、山火事に追い打ちをかけているとも聞きます。
日本の夏もかなり熱帯顔負けの暑さですが、この時期のオーストラリアの暑さも相当なもので、一昨年のオーストラリアンオープンでは、王者ジョコビッチは練習中にあまりの暑さでコートの上に卵を落として目玉焼きを作っていたほどです。(←これホント・・・ジョコビッチの卵焼きtwitterはこちら)そのくらい暑さにうんざりしていたのでしょう。
そんなユニークな性質を持つバンクシアと、森でばかりでなくこのアレンジメントでも共演しているのがユーカリです。アンスリウムの赤に隠れてこっそりと佇む小さな玉のような赤がユーカリの花。ユーカリの木もバンクスによってヨーロッパに紹介されました。
ちなみにこのアレンジメントの中で最も大きな存在感を放っているアンスリウムは熱帯アメリカ原産です。
その他の花材も合わせ、このアレンジメントに使われている花材をリストアップしますと、見える範囲ではおよそ以下の通りです。
バンクシア
ユーカリの花
アンスリウム
モカラ
ケイトウ
モルセラ
ヒペリカム
ツバキ科の葉っぽいもの(特定できませんでした。ゴムの木にも見えますが、わかりません。すみません)
などを使っていました。
次の四大大会は5月のフレンチオープンです。フランスらしい花やデザインには何を使うのでしょうか。
コチラも注目してみたいと思います。みなさま、良い週末をお過ごしくださいませ。