花研コーヒーブレイク
1月21日 スイートピーの日
2016.01.21
ご存知ない方も多いと思いますが、本日1月21日はスイートピーの日です。
松田聖子さんの名曲「赤いスイートピー」がこの日にリリースされたことからスイートピーの日となりました。
スイートピーの旬と相まって、小売店さんも販売しやすくなるといいですね。
大田市場では、ちょうど中央通路で県をまたいだスイートピーフェアを開催中です。
いくつかここから話題の品種をご紹介させていただきたいと思います。(ま、実際に話題になっているかどうかは別として^ ^;)
まずは赤いスイートピー。
赤系のスイートピーはいくつかありますが、こちらはスカーレットという品種です。
こちらはカルメンという品種。
単独で写真を撮ると、どうしても赤色が飛んでしまいますが、他の色と並んで撮るとその赤が引き立ちます(写真右上)。
赤いスイートピーは歌がヒットしてから開発されたという説がありますが、これは誤りです。実際には赤いスイートピーがリリースされる180年以上も前に既に存在していました。赤にもいろいろあるので、真っ赤とは限りませんが、赤系の品種です。行政にお勤めでスイートピー研究の権威の方のお話なので、間違いないと思います。
実は、今のところ存在しないのは黄色いスイートピー。
「見たことあるよ!?」とおっしゃる方がほとんどでしょう。その通り。実際に今回の中央通路のフェアでも黄色の品種が多数展示されています。
(ちなみに下の2種類は別々の品種として紹介されています。微妙なカラートーンを区別して多品種展開されているのがスイートピーのイイところです。)
実はこれらの黄色いスイートピーは染めているのです。
しかし、染めの技術も高く、近くで見ても全く違和感がありません。
スイートピーに黄色の遺伝子はないと言われ、「黄色いスイートピー」は「青いバラ」のように人間が不可能にチャレンジするかのように研究が積み重ねられています。
そして、つい昨年、長年の研究を経てスイートピーに黄色い遺伝子が見つかったという研究発表がありました。すぐに生産・流通とはいかないとは思いますが、いつか本当の黄色いスイートピーが店頭に並ぶ日が来るかもしれません。
染めのように思う方もいらっしゃるかもしれませんが染めではないのが紫。濃い色がしっかりとのっています。
こちらもアタクシの撮影技術が追い付かず、若干色が飛んでしまっていますが、いずれも天然のきれいな濃い紫です。
左から、ネイビーブルー、ミッドナイト、鶴富という品種。ほかにも濃い紫の品種は多数流通しています。
では緑色はどうでしょう。今回の展示の中では染めた品種でした。
左がフレッシュアップル、右がスカイグリーン。
しかし、スイートピーの育種家さんの圃場で、このくらいのグリーンの品種を拝見したことがあります。
↓こちらがその時拝見したものですが、出荷前にはもう少ししっかりグリーンぽくなるとおっしゃっていました。
通常、染める時は白い品種を使いますが、あえて淡いピンクなどを使うことがあります。例えばピンクに黄色い染料を使うと、何とも言えぬ優しいニュアンスカラーに変身するのです。
例えばですが、染める前はこのようなピンクだったのが、
染めるとこんな感じに。
そう考えると、染めてあるかどうかはもはや問題ではなく、いかに生活者やフローリストの皆様に喜んでいただける色をご提供するかということが重要のように思えてきます。
こちらのハケ目の品種もとてもユニーク。染めではなく元々とこのような品種です。(品種名:シェリー)
複色もあります。
こちらは宮崎県が開発したオリジナル品種「式部三姉妹」。左から「式部」「紅式部」「恋式部」。
恋式部が末っ子で、本格出荷は本年からです。(いずれも染めではありません。)
もうすぐバレンタイン繋がりで面白い品種をひとつ。
チョコレートという品種。シックで大人カラーがいいですね。恐らく染めたものでしょうが、唯一無二のアイディア品種です。
ブログでは伝えられませんが、スイートピーにはとても良い香りがあります。今大田市場の中央通路では、スイートピーの良い香りが充満しています。