花研コーヒーブレイク
TPP合意、そのとき花は・・・?
2015.10.29
TPP大筋合意で、秘密裡に進められていた交渉の結果が発表されました。
この交渉の結果、花きにはどのような影響があるのか、ご興味のある方もいらっしゃるかもしれません。弊社も業界外の方や比較的業界に新しい方にはよく聞かれます。
日本における花きの輸入関税は元来0%。この度のTPPによりすぐに直接的な影響があるとは考えにくいのですが、長期的には何かの形で影響を受ける能性があります。
例えばですが、北米やニュージーランドなどへの花きの輸出は関税が撤廃されました。そのほかの国においても関税率引き下げられましたから、日本から花きは輸出しやすくなります。国を挙げて花きの輸出に注力している昨今、近い将来輸出が増える可能性は大いにあります。
あるいは、今まで日本の関税が0%であるために日本に輸出していたTPP参加国が、北米や豪州などほかの国でも関税が撤廃、軽減されていれば選択肢としてそれらの国への輸出が増えるということもあるかもしれません。日本で花きの輸入金額が最も多いマレーシアはTPPに参加しています。
ほかの可能性もいくつか考えられることがあります。
例えば、日本へ野菜等を輸出する際、何らかの理由によりコンテナ1台を十分に埋めるほどの量が集まらなかったとします。すると、コンテナを満載にするために何かほかのものも一緒に輸出しようと品目を検討することになるかもしれません。その時に花きが選ばれ日本に輸入される可能性も考えられます。
また、海外から価格的に競争力のある野菜等が日本国内に流通し始めた際、国内生産者は野菜から花きへ作付転換する可能性も考えられます。
とはいえ、季節指数や個人の嗜好性が高く、少量多日品種が特徴である花は、生産の国内外如何に関わらず、一朝一夕に安定的な出荷まで漕ぎ着けるのは難しいかもしれません。
このように様々な角度から少しずつ長期的目線において影響が考えられます。仕入れ側としては不透明な生産状況を前に、仕入れ販売計画においても出荷品目等のデータ分析がキーとなってくるのではないでしょうか。生産側としても全体の動向がどうなっているのか、ご自身の出荷物の卸値がなぜいつもより高かったのか、安かったのかなど、ご検討いただく上で花き業界の総合データが必要になってくるものと思います。
ということで、そのための花情報提供サービス「ここほれわんわん」がお勧めです。ホントに。
上記は弊社発表の「昨今の花き業界」(業界基礎データ内に掲載)を元に記述いたしました。